『ポケポケ』新パック実装で環境はどうなる? 「幻の島」注目カードと“ポケポケのこれから”を考察
リリースから話題が絶えず、人気を集めている『Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)』。12月17日には待望の新パック「幻のいる島」が追加され、さらなる盛り上がりをみせている。
今回は追加カードの中からバトルで活躍が期待される新カードをいくつか紹介したい。デッキ構築の参考にしていただければ幸いだ。また、今月行なわれた連勝「エンブレムイベント」も振り返り、今後のバトルイベントについても簡単に考察する。
「セレビィex」が強力? 「ミュウex」はさまざまなデッキに出張できるポテンシャル
最初に紹介する注目のカードはパックの顔にもなっている「ミュウex」。このポケモンはなんといっても「ゲノムハック」で相手のワザをコピーできるのが最大の特徴で、「リザードンex」のような高火力カードのワザをコピーできれば一発逆転を狙えるポテンシャルを持っている。また、1エネルギーで攻撃することもできるので、序盤の削り役もできるほか、ミュウexをフィールドから手札に戻せる「かけだし調査員」を使えば疑似的な回復も可能だ。
一方で、相手のワザをコピーしても有効になるとは限らないため、活躍できるかはどうしても相手のデッキ依存となってしまうのが悩みどころ。同じエスパータイプの「ミュウツーex」や「サーナイト」と組むことで壁役となったり、「ミュウツーex」が苦手だった高火力デッキへの対策として採用できそうだ。また、「ゲノムハック」は無色エネルギー3つで使用できるため、さまざまなデッキに組み込むことができる出張パーツとしても活躍できるかもしれない。
次に注目したいのが「セレビィex」と「ジャローダ」のくさタイプの2枚。「セレビィex」はワザ「パワフルストーム」でエネルギーの分だけコインを投げ、オモテの数×50ダメージを繰り出せる。「ジャローダ」はベンチにいるだけで、バトルポケモンについているくさエネルギー1つを2つとして扱うことができる特性を持っており、この2つを組み合わせるだけで超火力を繰り出すことが可能だ。
「パワフルストーム」は2エネルギーで使えるほか、「セレビィex」は進化する必要がないため序盤から安定して動くことが可能。「ジャローダ」を引けなくても運が良ければ火力が下がった「ガラガラex」のように動けるのは魅力だろう。くさタイプなので「エリカ」での回復もできるため、トップクラスのデッキとして活躍することが見込まれる。
ほかにもフィールドにいるだけで相手のバトルポケモンを進化できなくする「プテラex」や、相手のベンチのポケモンの数だけ追加ダメージを与える(最大で140ダメージ)を叩き出せる「ピジョットex」など中堅以上の活躍ができそうなexポケモンが登場。「プテラex」は「ヒトデマン」からの「スターミー」のようなバトルに出ながら進化することの多いポケモンの対策になる。「ピジョットex」はノーマルタイプのエースポケモンとしてさまざまなタイプのカードと組み合わせたデッキが開発できそうだ。
exポケモン以外の注目のポケモンとして「シャワーズ」も紹介したい。このポケモンは特性「おしながす」でベンチのみずポケモンからバトルポケモンへとみずエネルギーを好きなだけ移動できる。「にげる」を使ってバトルポケモンを入れ替えながら戦うことができるので、上手く使えばさまざまな場面に対応が可能となるはずだ。みずタイプには、にげるに必要なエネルギーが0の「スターミーex」や、エネルギーを一気に供給できる「カスミ」が存在するので、これらのカードと「シャワーズ」を使用したデッキは活躍が期待できる。
このように、「幻のいる島」の追加カードによって「セレビィex」等の新たなデッキが環境で活躍することが期待できる。また、これまでも活躍してきた「ミュウツーex」デッキや、みずタイプも新たな動きができるようになり、よりデッキ構築の幅が広がった。一方で、環境トップとする声も多かった「ピカチュウex」デッキには大きな強化はなく、「デデンネ」や新規の「ピカチュウ」と「ライチュウ」などが構築の候補に入る程度となっている。もちろん、それでも強力なデッキであることは間違いないのだが、新環境にどこまでついていけるかは注目だ。
はがねタイプとあくタイプには追加カードなし。トレーナーズカードには追加も!
個人的に残念だったのは、今回の追加カードにはがねタイプが一枚もなかったこと。はがねタイプは「クチート」「メルメタル」「キリキザン」と進化前の計5枚しか実装されていないので、「メタグロス」や「ナットレイ」など何らかの目玉カードが欲しかったところだ。また、あくタイプも目立った追加カードがほとんどないのも少し悲しい。まだスタートを切ったばかりのゲームなので、デッキ構築の際の選択肢を増やしすぎないための施策なのかもしれないが、(少し気が早いかもしれないが)次弾では強力なはがね&あくタイプの登場を期待したい。
一方で、トレーナーズカードでは追加カードが実装された。受けるダメージを減らせる「グリーン」や、スピーダーの強化版的な「リーフ」、エスパーデッキでのドローソースとして強力な「幻の石板」などが新たな選択肢として候補にあがるだろう。トレーナーズカードは選択肢が少なかっただけにありがたい追加だ。
トレード機能は早期実装を期待。バトルイベントはカジュアルなものを希望
そんな本作の今後についてだが、まず追加予定のトレード機能には期待したい。「幻のいる島」が登場してもまだ「最強の遺伝子」のカードを引ききっていないユーザーは多い。本作にはいわゆる新カードを手に入れるための「分解」機能はなく、「生成」にあたる「パック開封ポイント」も「最強の遺伝子」を引かなければ溜まらない。せっかくなので「幻のいる島」を引きたいが、「最強の遺伝子」に必要なカードがあるため引きづらい、といった状況になるユーザーが少なくなるように、トレード機能は早期に実装されてほしいものだ。
また、バトルイベントのあり方についても、これまでにない取り組みに期待したい。12月に実施された「エンブレムイベント」は連勝が条件だったため、カジュアルで運要素が強いゲーム性と噛み合わず、苦労するユーザーは少なくなかっただろう。また、SNS上ではイベントのつらさから、「イベントの目標である5連勝を達成したら降参すべき」「カードゲーマーなら全力で環境デッキメタの構築を使い連勝を邪魔するべき」「そもそも5連勝したら潜るべきではない」といった議論も見られ、イベント終盤には対戦相手の連勝を邪魔するため時間いっぱい放置して降参を促すような悪質なユーザーも報告されていた。
もちろん、5連勝という数字はある程度バトルをこなせば達成できるものではあるし、イベント報酬はプレイヤーの称号となる「エンブレム」だけで、カード等が貰えるわけではなかったので、エンブレムを気にしない人は挑戦しなくても損はしなかった。それでも、何らかの報酬を諦めるというのはユーザー体験を考えるといいものではない。何より、本作はコレクションメインのカジュアルなカードゲームとして人気を獲得してきただけに、ユーザーの求めていたものとイベントの報酬システムが乖離していたといえるだろう。筆者個人としては、ユーザー層に合わせ、バトルイベントは連勝ではなく、単純な勝利数や、敗北でレートが下がらないタイプのものを実施するのが好ましいのではないだろうかと思う。
ともあれ、新パック「幻のいる島」の実装でさらなる盛り上がりをみせている『ポケポケ』の今後には期待したい。本稿はバトルを中心に扱ったが、新カードにはコレクション欲を書きたてるイラストのカードも盛りだくさんなので、コレクションもぜひ楽しんでほしい。
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