早見沙織を形作る“あの日、あの一瞬”の10曲とは? 多様な音楽性を育んだルーツにも迫る

早見沙織を形作る10曲とは?

 アーティストや俳優、クリエイター、お笑い芸人など、さまざまな著名人に音楽体験について伺いながら、とっておきの曲を厳選してプレイリストを作成していただく連載「あなたを作る10曲」。

 第3回は、声優の早見沙織が登場。『鬼滅の刃』『SPY×FAMILY』など数々のアニメ作品で有名キャラクターの声を担当する声優でありながら、自ら作詞・作曲にも携わるアーティスト・歌手としての一面を持っている。しかも彼女の好む音楽はソウル・ファンクからポップミュージックまで幅広く、シンガーとしての圧倒的な歌唱力・多様な表現力にもつながっている。

 今回はそんな早見の音楽ルーツやストリーミングサービスの使い方について掘り下げていくほか、多ジャンルにまたがる10曲のプレイリストの選曲理由について、独自の感性を持って語ってもらった。

「色とりどりの音楽は、自分の日常と密接に繋がっている」

ーーまずは早見さんの音楽的なルーツについて。以前のインタビューで「お母様の影響が大きい」と伺ったのですが、どのようなきっかけで、どういう音楽を聴くようになったか、改めて教えてください。

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当サイトの連載企画「新譜キュレーション」の特別編「アーティストキュレーション」では、様々な世代・ジャンルのアーティストたちが登場…

早見:両親が音楽好きで、物心つく前から家の中や車の中で常に音楽がかかっているような環境でした。その頃は、親の青春時代の音楽や好みの音楽である70、80年代のいわゆるソウル、ファンク、ディスコサウンド、AOR的な選曲が多かったです。同時に、会社の同僚に、私が生まれた90年代当時の流行のJ-popをカセットテープにまとめてくれる方がいらしたようなんですね。なので、流行りの邦楽もたくさん流れていました。

ーー音楽活動を始めてからはより意識的に音楽を聴くようになったのでしょうか? また『Memories&Discoveries』のような幅広い世代・ジャンルの音楽を扱うラジオ番組でパーソナリティーを務めることになり、さらに音楽の聴き方や探し方は変わりましたか?

早見:元々色々な音楽を好む方ではありますが、大人になるにつれてあまり広げることをしなくなった傾向にありました。音楽活動を始めてからは、改めて幅広いジャンルの曲や流行の曲に意識を向けるようになった気がします。その扉を開いてくれる大きな要因のひとつがラジオ番組『Memories&Discoveries』の存在です。選曲担当の放送作家の方が、世界中のあらゆる年代のあらゆるジャンルの音楽に精通していらっしゃる方で、この番組をきっかけに好きになった曲も多いです。

ーー普段の過ごし方のなかで、音楽を普段どのように聴いているのか教えてください。

早見:1日のなかで、現場と現場を移動することの多いお仕事なので、主に移動中に聴くことが多いです。気持ちを切り替えたいときや、リラックスしたいときなど、その時々にマッチしたものを選びます。

ーー元々音楽をよく聴かれていたと思うのですが、ストリーミングサービスの登場で早見さんのリスナーとしての生活・アーティストとしての価値観はどのように変化しましたか?

早見:とにかく気軽に音楽の世界を広げられるのが良いなと思います。好きな曲を聴くと、関連して自分の好きそうなアーティストの方を教えてもらえますし、気になった曲はすぐにプレイリストに加えることができるのが嬉しいですね。アーティストサイドとしても、そういった形で知っていただき、好きになっていただけることもあるので、ありがたいです。

ーー今回、作成いただいたプレイリストはかなりジャンルもバラバラで、多様なラインナップです。10曲の選曲テーマやそれぞれの楽曲について教えていただけないでしょうか?(曲にまつわるエピソードなども教えていただけますと幸いです)

早見:タイトルをつけるなら「あの日、あの瞬間に流れていた音楽」です。

 幼少期から現在に至るまでに触れてきた色とりどりの音楽は、自分の日常と密接に繋がっているように思えます。大変バラバラな曲たちではありますが、確かに、一人の人生の「あの日、あの一瞬」に流れていた音楽です。もちろん、ここに書ききれないほど数多あるのですが、その中からいくつかを選ばせていただきました。

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