連載「#bienoZ世代インサイト」第6回
Z世代のリアルな“推し活”事情とは? 現役大学生たちが語り合う
キャラクターを推す人も増えている?
――人物だけでなく、キャラクターを推す人も増えていますよね。
奥原:たしかに。ここ1年くらいで、ちいかわとかすごく流行ってきましたよね。クリエイタースタンプが出ているようなメジャーではないはずのキャラクターがメジャーになってきている感じがします。
――鈴木さんは、IVEにハマったきっかけはあるのでしょうか?
鈴木:IVEがデビューしたときのチッケムがYouTube ショートで回ってきたんですよね。それを見て、すごい刺さっちゃって。これまで、単推しってあまりしたことがなかったんですけど、「この子を推したい!」という気持ちになりました。
――ふだん、どのくらいの時間を推し活に費やしていますか?
鈴木:チッケムを見たりしていると、1時間くらいは余裕で溶けています(笑)。YouTubeを見て、TikTokを見て、またYouTubeに戻って……とか。そうなると、寝るのも忘れて深夜になっていたり(笑)。
――檜山さんは、動画を見ることはありますか?
檜山:わたしは、ご飯系の動画を見ることが多いですね。ブルダック麺とか、辛ラーメンとかを食べている動画を見て、「美味しそう〜」と思いながら、寝ています。
――最近は、“推し”の定義が広がっていて、友達を「推し」だという人とかもいますよね。
檜山:わたしも、ゼミのおじさん先生を「推し」って言ったりしています。可愛い感じの先生なので、みんなで「推しだよね」と。
推してもらうために努力をしていることとは?
――鈴木さんはアイドル活動をされているようですが、推される側としての意見も聞かせてください。
鈴木:地下アイドルには、推しを決めたらその子が辞めるまで推し続ける……みたいな文化があるんですよね。なので、わたしのファンの方はかなり長めに応援してくださっている方が多いです。
――推し変はタブーなんですね。
鈴木:ですね。同じグループで推し変したら“終わり”みたいな雰囲気があります(笑)。
――ミスコンに参加しているなかで、推してもらうためにしていることはありますか?
檜山:習慣づけてもらうために、配信の時間を決めるようにしています。わたしは、7時半と22時半にやっているのですが、通勤時間と寝る前の時間帯を狙っていて。「朝の配信はやった方がいい。準備中に入り込めたら勝ちだよ」と教えてもらったので、それを続けています。
鈴木:わたしは、時間帯はあまり意識していなかったんですけど、だいたい1時間くらいは配信をしています。正直、Xとかで写真をアップするよりも、配信の方がファンがつきやすい気がするんですよね。
――そうなんですね!
鈴木:はい。「Xからファンになってライブに来ました」と言われたことがなくて、全部配信からなんです。なるべく、いつも配信に参加してくれる人が来られる時間にできたらいいなと思っています。
奥原:ミスコンは、ある意味でルーティーンみたいな感じもありますもんね。毎年ミスコンを応援しているファンの方は、この時期になると、毎日配信を見て、コメントをして、投票をする。だいたい一大学にひとり推しを作っていることが多いです。なのでコア層の推しになることが重要な気がしますよね。
――最近は、『PRODUCE 101 JAPAN』など視聴者投票で結果が変わるものも増えてきていますよね。
奥原:たしかに。AKB48の総選挙で、大島優子さんが「票数は愛です」と言っていたじゃないですか。でも、最近はひと端末で1票のことが多いですよね。愛は課金制じゃなくなっている。
――推し活に使う費用についてはどう考えますか? 調査結果を見ると月に1万円未満が50.9%と、あまり多くはない印象です。
檜山:ただ、K-POP好きな友達は月に15万円とか使っている子もいます。CDに特典が付いているらしくて。それを当てるために、たくさん買っていました。
鈴木:これは、K-POPに限らずかもしれないけど、ライブとかに行くとグッズも集めなきゃいけないし。そもそも、ライブに1回行くだけで1万円くらいになるアーティストもいるので。
奥原:大学生の月のバイト代が平均5万円くらいと考えると、1万円はかなり大きい気がします。
鈴木:半年に1回とかなら分かるんですけど、行く人はめっちゃ行くので……。
――推し活にも、さまざまな層がいるんですね。
奥原:推しという言葉は、わりとライトに使われるようになっている気がします。それこそ、先生を「推し」だと言ってみたり。結婚にいろいろな形があるように、推しにもいろいろな形があるなぁと思います。
――在宅ファンも多いですもんね。
鈴木:SNSが発展しているおかげで、家にいても推し活を楽しめるからかも。
奥原:たしかに、SNSっていちばん目に入るものだよね。たとえば、田中みな実さんはSNSをやっていないけれど、ファンの人のアカウントに何十万人もフォロワーがいたりするんです。そう考えると、SNSで推しの情報収集をしている人って本当に多いんだなって。ただ、その一方で応援広告を出したりとかする層もいたりするので。
――ある意味、アナログな推し方ともいえる。
奥原:ですよね。「〇〇くん、誕生日おめでとう」って広告を出したりとか。昔っぽいアナログな感じだけれど、最近は前よりもシステムが整ったおかげで、やりやすくなってきているなという感じがします。
檜山:その看板を撮影している人も多いですよね。あとは、カフェで推しのぬいぐるみとか、アクスタと一緒に写真を撮っていたり。実際に、自分がカフェに行ったときも、推し活をやっている女の子たちを見かけたことがあります。
奥原:たしかに! ぬいぐるみと一緒におでかけをしたりね。推し活って、いろいろな文化があるから奥深い!
現役女子大生3人に聞いた"Z世代のリアルなアプリ事情" 自撮りのカメラは「ノーマルが好きな人って多い」など意外な結果も
“令和の流行りはスマホから生まれる”と言われる現代。流行の中心にいる大学生たちが持つスマホのホーム画面には、一体どんなアプリが並…