Meta Quest版『トライアングルストラテジー』プレイレビュー 思わぬ相性の良さに“欲張り”な本音が出る
「コレもVR対応してほしかった!」 VR×ストラテジーの相性の良さに思わず欲が出る
ここまでポジティブな面を中心に書いてきたが、もちろんネガティブな面がないわけではない。今回のVR版は、基本的には「戦闘場面のVR化」にフォーカスを当てたものとなっており、ゲームの物語を語るカットシーンについては、基本的にVR空間上のスクリーンに上映される映像を鑑賞する形式になっている。やむを得ない対応であることは理解しつつも、やはりステージの再現度の高さと没入感を味わってしまうと、「カットシーンもVR空間のステージ上で見たかった!」と思わずにはいられない。
また、VR空間上に描画されるステージはなかなかに巨大である。それ自体はむしろポジティブに捉えることもできるのだが、パススルー機能を使用した場合、部屋の狭さによってはステージが大きすぎて収まりきらない場合がある(お世辞にも広いとは言えない筆者の自宅では、家具や部屋の壁を貫通する結果となった)。
本作は操作自体はそれほどアクティブなものではない(静止モードで問題なく楽しめる)ため、VR特有の「狭い部屋では楽しめない」ということはないのだが、「ステージが大きすぎて部屋に入らない」という意外な形で、この問題に悩まされることになってしまった(ステージを縮小する機能自体はあるのだが、縮小範囲に限界がある)。もちろん、パススルー機能をオフにしてもゲーム自体は十分に楽しめるため、この辺りはそれぞれの環境に合わせて調整してほしい。
とはいえ、Meta Quest版『トライアングルストラテジー』の総合的な評価はやはり「素晴らしい作品」の一言。本作は「実際の盤上で遊んでいるような感覚」を、ノゼリアの美しい世界観とともに楽しむことができるという、ストラテジーゲームのファンにとっての夢のような体験を味わうことができる快作であり、MR体験が生み出す贅沢な没入感・プレイ体験も大きな魅力となっている。VRとストラテジーゲームの相性が想像以上に素晴らしかったことは筆者にとっても大きな発見で、本作をきっかけに、今後も新たな作品が登場することに期待したい。
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Meta Quest版『トライアングルストラテジー』公式WEBサイト
Meta Quest版『トライアングルストラテジー』Meta Store販売ページ
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