日常を快適にしてくれる大画面とAI機能 ASUSのフラッグシップスマホ『Zenfone 11 Ultra』徹底レビュー

ASUS『Zenfone 11 Ultra』徹底レビュー

自然派な印象を残せるカメラ機能

 続いてはカメラ性能を見ていこう。背面カメラは50MPの広角カメラ+32MPの光学3倍ズーム望遠カメラ+13MPの超広角カメラのトリプルレンズ構成になっている。広角カメラは高い解像度を活かしたロスレス2倍ズームに対応し、Zenfoneシリーズおなじみの6軸ジンバルモジュールによる手ぶれ補正にも対応。


 メインで使う広角カメラの写りはかなりナチュラル。ディスプレイの発色の良さも相まって、きれいな思い出が振り返られそうだ。

しっかりぼかせば玉ボケを作ることも。こちらはロスレス2倍ズームで撮影している。

 ここからはそれぞれのカメラの画角をチェックしていこう。超広角→広角→広角2倍ズーム→望遠3倍ズームの順に掲載していく。


 まずは超広角。


 50MPの広角。やはりメインカメラだけあってホワイトバランスも良い。


 広角カメラによるロスレス2倍ズーム。なお撮影した写真のピクセル数は通常の広角撮影時と変わらない(どちらも4.096×3,072px)。


 最後は望遠3倍ズーム。ここからさらにHyper Clarity機能によるデジタル30倍ズームまで対応している。

さらにブレなくなった動画撮影

 「Zenfone」シリーズのメインカメラには6軸の物理的なジンバルが搭載されており、動画撮影時は強力な手ぶれ補正機能としてはたらく。本機からは『Gimbal Stabilizer 3.0』として補正機能がさらに強化された。

 実際にどれほどの補正力があるのか。補正なし、Adaptive(やや強い補正、わずかにクロップ)、Hyper Steady(最強の補正、さらにクロップ)の3つの動画を撮影してきたので見てもらいたい。

動画の手ブレ補正力をチェック

 スマホを構えて走りながら動画を撮影したが、やはりHyper Steadyのブレなさは圧倒的。その分、電子手ブレ補正による画角のクロップも大きくなるが、これだけブレがなくなるならアクションカムのような大胆な撮影も試してみたくなる。丁寧に構えるならAdaptiveの補正力でも十分な場面は多いだろう。


 総じて、カメラ機能は全体的に高水準にまとまっている。特に広角カメラはダイナミックレンジが広く、人の目で見た印象に近い描き方だと感じた。ハードウェア的にはベースとなっている『ROG Phone 8』と同等のカメラ性能だ。

オンデバイスAI機能を豊富に搭載

 『Zenfone 11 Ultra』にはもうひとつ、AIスマホとしての顔もある。ネットワークに繋がずローカルで動作するオンデバイスでのAI機能がいくつか搭載されており、AI時代を見据えた機能にも抜かりがない。「AI文字起こし機能」「AI通話翻訳機能」「AI壁紙生成機能」「AI画像検索機能」「AIノイズキャンセリング」の5つの機能が紹介されている。


 このうちのひとつ「AI壁紙生成機能」を紹介しよう。作りたい壁紙のイメージを選んで生成すると、数十秒で新たな壁紙が生成される。初使用時はキットをDLする必要があり、容量もなかなか。

 他の機能だと「AI文字起こし機能」は、レコーダーで録音した音声をテキストに起こしてくれるというもの。インタビューや議事録の起こしとして、ビジネスツールとして活用できそうだ。いずれもオンデバイス、すなわちネットに繋がってなくても使用できる。

 また、AI機能と関係はないが筆者が特に便利に感じたのが「VIdeo Genie」だ。ROG Phone 8シリーズでも使えた機能だが、YouTubeなどの動画アプリをバックグラウンドでも再生できるというもの。


 ディスプレイ側面に配置できるエッジツール内にYouTubeアプリを配置し、Video Ginieでバックグラウンド再生に対応させておけば、YouTubeの画面を閉じても音楽を再生できる。広告などはスキップできないが、ちょっとしたプレミアム版のような使い方ができるわけだ。BGMを再生しながらブラウザで探しものをしたり漫画を読んだり、便利な使い方ができる。

手のひらサイズの、その先へ


 ハイエンドなゲーミングスマホであるROG Phone 8シリーズをベースにしているだけあり、現行のAndroidとしては最高峰の性能をほこる。ソフトウェア面ではAI機能をはじめユニークな機能も網羅しており、自分なりのカスタムも楽しめるだろう。

 しかし、Zenfone=コンパクトといった点に魅力を感じていた人にとっては「Zenfoneも普通のスマホになっちゃったかぁ」と思ってしまう気持ちもやむなし。自分が求めているものは性能なのか、あるいは小型さなのか、そこが評価の分かれ目になるだろう。あるいはややお値打ちな『ROG Phone 8』として見ることもできなくはない。

 小型という唯一の個性を手放すことで得たものは、決して少なくない。それらに魅力を感じた人であれば、『Zenfone 11 Ultra』は手のひらを超えて生活そのものに馴染むスマホとなってくれるだろう。ちなみに「ウルトラのつかない小型モデルが来るのでは!?」と期待したいのだが、現状その予定はないとのことだ。

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