『BeReal』COOがZ世代に伝えたい″家族や友人とのつながり″の大切さ 「多くの時間をリアルな世界で送ってほしい」

『BeReal』COOインタビュー

Z世代が求めるSNSは量より質?限られたユーザー同士で日常を共有することが支持されるワケ

――なぜここまでZ世代の支持を得ることができたと考えていますか?

Romain :Z世代はフィルターがかかったコンテンツと共に成長してきており、今では画像の背後にある実生活をもっと見たいと感じています。そこで『BeReal』では等身大の自分を共有する方法をユーザーに提供しているからこそ、これまで以上にリアルなつながりを求めているZ世代の支持を得ることができたと考えています。

――毎日の通知を送るタイミングに法則性は持たせていますか?

Romain :『BeReal』のユーザーは通知時間に非常に関心を持っており、日本のユーザーも通知時間を意識し様々なコンテンツを投稿してくれています。しかし通知タイミングには特定のパターンはありません。ランダムではないものの、そのタイミングがどのように決定されるかは秘密です。

―― Z世代にとって『BeReal』が『Instagram』のストーリー機能よりも利用・更新頻度が高いことについて、どのように分析していますか。

Romain :『BeReal』が『Instagram』のストーリーズと大きく異なる点は、量より質を重視している点です。私は多くの人に実生活を伝えるのではなく、選ばれた少数の人々と無防備な瞬間を共有してほしいと考えています。
『BeReal』ユーザーは1日に1度、通知が来た時に参加し友人と瞬間を共有した後、スマホから離れることができるので、多くの時間をスマホを置いてリアルな世界で送ることを望んでいます。

公式アカウントやEvents機能など新機能登場で拡大する″つながり″の選択肢

――これからの課題はありますか?

Romain :私たちの最大の課題は、人々が最も親しい家族や友人と本物のつながりを持つ方法を見つけ出すことです。私たちは、ユーザーが期待している品質基準を維持し続けたいと考えており、そのために新機能や新しいツールに関する試みに絶えず投資しています。なお、私たちはSNSの世界にポジティブな影響を与えたいと考えており、常にユーザーが求めることを自分たちが行えているかどうかを確認することが私たちの課題です。

――新機能(公式アカウント)の詳細と活用方法について教えてください。

Romain :「RealPeople and RealBrands(公式アカウント)」は、ユーザーが最も興味を持つブランドや人物を見つけてフォローする方法です。これらの公式アカウントも、全ユーザーと同様のルールに従う必要があり、ファンが見たいと望むフィルターなしのリアルなコンテンツを共有します。

 ユーザーは最大42のRealアカウントのみをフォローできるため、本当に詳しく知りたい人やブランドを選ぶ必要があります。現在アプリには多数の公式アカウントがある(スポーツチーム、俳優、ミュージシャン、コンテンツクリエーター、美容およびファッションブランドなど)ので、誰とつながる時間を過ごすかを慎重に選んでほしいですね。

 この新機能により、友人や家族とのより深いつながりを築くだけでなく、彼らが好む著名な人々やブランドともつながりを築くことができるようになりました。しかし、優先事項は友人や家族とのつながりだと考えています。ユーザーが公式アカウントのフォローを拒否したとしても、『BeReal』での体験は全く変わらず継続することができます。

――今後の展開として考えていることを教えてください。

Romain :昨年、いくつかの新機能(タグ付け、BTS、RealGroups、Bonus BeReal、メンション)を導入し、最近ではEvents機能とRoulette(ルーレット)を新たに追加しました。

 Events機能では、ユーザーがイベントの公式アカウントから舞台裏やステージからのコンテンツを見たり、会場または会場外でも自分のイベントコンテンツを共有することができます。この機能は米国のコーチェラフェスティバルで導入され、様々なアーティストがコーチェラでのステージ上の姿を『BeReal』を通じて共有しました。また、ジョー・ジョナスやナイル・ホーランのようなアーティストや、パリ・サンジェルマン、FCバルセロナのようなスポーツチームの公式イベントも開催しています。

 また、新たに導入されたRoulette(ルーレット)機能では、ユーザーが写真のホイールを回し、自分のスマホのカメラロールからランダムな写真を選ぶことで、その瞬間に対する反応と共に共有できます。

 今後も、ユーザーが互いにつながり、日常のユニークで無防備な瞬間を友達や家族の間でもっと共有できる機能を追加し続けたいと考えています。

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