交通系YouTuberの新婚旅行は個性的になりがち? 先祖を辿るハネムーンが話題に
2023年12月16日、交通系YouTuber・綿貫渉(わたぬきわたる)が動画を通して結婚を発表。半年間にわたる新婚旅行の様子を公開したのだが、この綿貫の新婚旅行が一風変わっていると、視聴者から好評を博している。今回は綿貫の新婚旅行動画から、交通系YouTuberの新婚旅行事情を紹介する。
綿貫渉は、公共交通に関する動画を投稿する交通系YouTuber。スーツや西園寺など人気YouTuberが数多くいるジャンルのなかで、綿貫は「ほかに誰も上げていない内容」「新たな発見がある」といったテーマで、ユニークな動画を制作。チャンネル登録者数13.6万人という人気動画クリエイターとして知られている(2023年12月22日時点)。
「【重大発表】結婚しました。半年間の新婚旅行で家系図を作成」の冒頭で、「結婚しました」と衝撃の発表を行った綿貫。結婚に関する報告は冒頭の約20秒で終わっており、話題は婚姻届を出す際に必要な戸籍謄本にうつっている。
今回の動画は綿貫の「戸籍謄本をたどれば先祖のことが分かりそう」という発言の通り、戸籍謄本を使って綿貫のルーツに迫るという内容。綿貫によると、祖父母より上の代の本籍は広範囲に及ぶことから、この動画はどこに行くかわからないミステリーツアーになっているとのこと。ほぼ全行程に妻も同行することから、綿貫夫妻の新婚旅行となっているのだ。
綿貫が1番最初に訪れたのは、栃木県栃木市。父方の祖母の出身地であることがわかっていたため、除籍謄本を入手するために市役所を訪れたのだ。謄本から曽祖父母の4名のうち3名が栃木市出身であることが判明し、次は謄本の情報をもとに、父方の曽祖母の佐野市へ移動。
ここでは曽祖母が住んでいたと思われる付近を巡りながら、最寄駅やその土地に関するちょっとした歴史も紹介している。なお、父方の高祖父母8名を調査したところ、うち7名が栃木市、1名が佐野市の出身ということがわかったそうだ。
母方側の調査では、栃木県日光市や長野県上田市にある別所温泉、熊本県山鹿市、佐賀県小城市に足を運んだ綿貫。東京に本籍地がある祖父に至っては、現在の北朝鮮生まれだったことが分かり、その近くに位置する韓国・ソクチョも訪れている。
この祖父は朝鮮から帰国後、淡路島の洲本市のある家に養子に出ていたこと、その後、実の両親のもとに戻っていることが判明。数年前に他界したことに触れ、「もっと早くにこの事実に気づいて、いろいろ話を聞くことができればよかった」と悔やむシーンもあった。
今回の旅では、高祖父の謄本の保管期限が過ぎており、情報が取得できないという残念な場面も。しかしながら、撮影時がちょうど東武鉄道新型特急「スペーシアX」が開業したばかりというタイミングだったこともあり、移動時に少しだけ乗車するなど、交通系YouTuberらしい新婚旅行動画となった模様。
ちなみに綿貫がこの旅の調査を開始したのは今年5月で、最後の調査を終えたのが12月と述べており、綿貫夫妻の新婚旅行がなんと6か月に及んだことも動画からわかったのだった。
この壮大なファミリーヒストリーをたどる少し変わった新婚旅行には、祝福の声とともに、「ロマンがある」「個性的すぎて面白い」という声が殺到。公共交通の本質や日本の戸籍制度の優秀さに触れる視聴者もおり、さまざまな知識が得られる、興味深い動画として評価を得ていることが読み取れる。新婚旅行といえども、チャンネルのテーマに沿った動画には、多くの視聴者が魅了されたようだった。
交通系YouTuberの結婚・新婚旅行といえば、今年8月に公開されたスーツの動画が思い起こされる。この動画でスーツは、結婚していたことをサラッと発表。サイコロの目で行き先が決まるという一風変わった新婚旅行の様子があわせてお披露目されたのだが、過酷すぎる旅に反した、夫婦のほっこりとした会話にも注目が集まったのは記憶に新しい。
綿貫にしてもスーツにしても、つい最近投稿されたエンタメ系YouTuber・がーどまんとふくれな夫婦の絵に描いたようなモルディブ新婚旅行動画と比較すると、その斬新さは一目瞭然。交通系YouTuberたちの新婚旅行動画は、交通機関や観光に関する内容にとどまらない、ひとりの人間の歴史と人間模様を写すコンテンツとも捉えられそうだ。