撮影者・出演者不明 リアルな青春を切り取るTikTokアカウント「あの日の放課後」とは

 TikTokで100万回再生の動画を連発しているクリエイター「あの日の放課後」を知っているだろうか。高校生の日常会話を切り取るだけという、シンプルな動画を投稿しているアカウントなのだが、撮影方法やクリエイターの素顔などはいっさい不明。出演者である学生も基本的に後ろ姿しか写っておらず、正体不明となっている。

 だが、映像の鮮明さや学生たちのあまりにもリアルな会話が視聴者を魅了し、動画は瞬く間に再生され、現在TikTokアカウントのフォロワーは9万人、トータルいいね数は500万を超えている(2023年12月9日時点)。今回は、この謎に包まれたクリエイター「あの日の放課後」を分析していこう。

クリエイターの正体に深まる謎

 2023年12月9日現在の時点で700万回再生されているこちらの「置き勉ガチ勢」という動画を見ていこう。動画では、高校生が置き勉をするために、教科書を教卓の床板に隠すというシーンを切り取っている。盲点に見える隠し場所だが、意外にもコメントからは「これやってたわ」という共感の嵐が起こっている。

 そして共感のコメントのなかには、「画質良すぎて映画みたい」「なんでこんな画質いいの?」といったコメントもちらほらと見受けられる。「あの日の放課後」の特徴のひとつに、明らかに画質が綺麗なことが挙げられる。ただ綺麗な画質というよりは、映画やドラマのワンシーンのような綺麗さがあるのだ。そのあまりの映像の美しさに、素人ではなくプロの手により制作されているのではないかと囁かれている。視聴者からしても、クリエイターはいったい誰なのか興味を惹かれるのだろう。動画の内容に加えて、そういった謎に包まれた部分も「あの日の放課後」の魅力である。

あまりにもリアルすぎる“あのころ”の会話

 こちらは「もらってすぐ囲まれるイケメン」という動画だ。バレンタインにプレゼントをもらったイケメンにクラスメイトが群がる構図となっているのだが、この光景には誰しも既視感があるのではないだろうか。

 プレゼントのなかには「一緒に帰ろうね」と書いたラブレターが入っており、群がっている男子全員で「一緒に帰ろうね!」と大声で復唱し「ナイスゥゥ!」と大盛り上がりするシーンには、思わず懐かしさで笑ってしまう。TikTokの利用者層は、こんな高校時代の何気ないシーンがちょうど突き刺さる世代が多いのだろう。コメントからも「なにこの青春」「復唱すんのわかるわ」とこれまた共感の声が続出している。

 TikTokユーザーの需要をしっかりと分析しつつ、正体を明かさないままバズ動画を連発する「あの日の放課後」。いつの日か、その正体や撮影方法などを明かしてくれる日が来るのだろうか。そしてこれからどんなブームを巻き起こしてくれるのか、注目していきたい。

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