夫婦YouTuberの“幸せな結末”とは? 「妻だけが動画投稿継続」の事例から考える
旅動画で人気の夫婦YouTuber「わたなべ夫婦」が、夫婦でのYouTube活動を終了し、今後は妻のみでYouTubeを運営していくことを発表した。今回は、わたなべ夫妻の決断から、夫婦チャンネルの終わりかたと未来を考えてみたい。
「わたなべ夫婦」は、夫・だいきと妻・ゆみによる旅系夫婦YouTuberだ。2018年11月にチャンネルを開設すると、夫婦でのバンライフ動画を投稿し、人気を獲得。2019年6月にバンライフを終了させた以降も、旅動画や日常を切り取った動画で視聴者から支持を集め、チャンネル登録者数は18万人を記録している(10月28日時点)。
2023年10月20日、前回の動画から約3か月が経過したこの日に投稿された動画には、妻のゆみがひとりで出演。今後について「私ひとりで更新してみようかなと思って」と切り出し、夫婦での活動を終了することを発表した。ゆみはこの動画で、この1年間について言及。“わたなべ夫婦”として動画を投稿する以上、「笑いどころがあって、ほのぼのできる動画じゃないといけない」と考えていたとし、「どれだけ私たちがケンカしていようが、それを一切出さないように努めてました」と告白している。さらに「YouTubeに関しては、本当にしんどかった」と述べ、夫婦での活動が辛かったことも明かしたのだ。
この動画でゆみは、問題は夫婦間の喧嘩以外にもあったことも告白。ゆみによると、YouTubeで求められている自分は「いつも夫のボケに大笑いして転げたりとか、私自身がめちゃくちゃボケたりとか、いつでも元気で天真爛漫」なキャラクター。「ちょっとアホな子と、それを支える頭のいい夫」という動画上でのイメージが「めちゃくちゃ嫌だった」と述べ、本当の自分とYouTubeでのイメージとの乖離に疲れてしまったという。
さらに最近の動画の視聴者のコメントには、だいきの元気のなさを心配する声があったことに触れ、この点については「全然元気じゃなかったです」と発言。ゆみが「元気じゃないのに元気に振る舞うのがものすごく得意だった」ことで、ふたりのギャップでさらにだいきが元気のないように見えてしまったと説明している。しかしながら現在の夫婦仲は良好で、「すごく仲いい」とのこと。「いままでで1番、穏やかな時間を過ごしていると思います」と、離婚についても否定している。
YouTube活動については2か月前に「YouTubeは絶対にやらん」とふたりで決め、発表することもなく休止状態になったと説明。しかしながら今回の動画を撮影するまでに、ゆみには心境の変化があり、「ある日、ふと『YouTubeやりたい』」と思ったという。気になる今後の動画の更新頻度と内容は、「私が撮りたいと思ったときにしか撮らないし、私が撮りたいと思ったものしか撮らない」と断言。「それがバズろうがバズらまいが、私には関係ない」とし、「私が楽しんで続けるというのを目標にしてやってみようかなって思っています」と、和やかな笑顔で活動方針を語っている。
YouTubeにはわたなべ夫妻以外にも、「ナカモトフウフ」や「とったび」、元はなおでんがんのはなお夫婦が運営する「ひらさわけ」など夫婦チャンネルが多数存在する。しかし必然的に「プライベートも仕事も一緒」となる夫婦チャンネルでは、わたなべ夫妻のようにケンカ期間があっても不思議ではない。いつ何時も“仲のいい夫婦”であることを見せなければならないことや、YouTubeでの夫婦のイメージを守ることは、夫婦チャンネルならではの難しさではないだろうか。今回のわたなべ夫婦の決断は、人生のパートナーとして関係を維持するためのものということになるが、この選択はふたりにとってはいい方向に向いた模様。夫婦チャンネルの行く先は、やはり“ふたりにとっての幸せ”以外にはないだろう。