『プロセカ』3周年ソング「NEO」のMVを手がけたstudio matomoに聞く“制作秘話” 「画面の向こうにいる私たちにコンテを切った」

『プロセカ』3周年MVを手がけたstudio matomoの”プロセカ愛”

――MVではキャラクターの泣き顔なども多く、感情に訴えるものがありました。表情についてはどう作っていったんですか?

津田:かなり意識しましたね。アニメーターさんと打ち合わせする時にもイベントストーリーのダイジェストをお伝えしたり、イベントストーリーのリンクも送って「ここはこういう感情です」「キャラクターがこういうふうに思っています」とかってしつこいくらい説明して。作画も表情が強いところはniLさんが担当することが多かったかもしれないけど、結構こだわってくれていたよね。

niL:3人のなかで『プロセカ』のことを一番知っている津田さんに、泣き顔のカットの時はどういう感じかを一旦演出でもらって、私はそこからいろんな泣き顔の作品だったりを検索して参考にしつつ、お互いのイメージをすり合わせていきました。

津田:なにより、公式のディレクションが100%の正解だと思っているので、私は『プロセカ』のイベントが終わった後にメインのキャストさんがイベントのキーとなるストーリーを振り返って感想を言ってくれたり、ディレクションを受けてどう演じたかみたいな話をしてくれる番組『プロセカアフタートーク』の配信をすべて見て、アニメのカットにいろんな要素を落とし込んでいきました。司くんの泣くシーンは、公式のディレクションと噛み合わせるために苦労したところで、情報もいっぱい探しました。

――じんさんが作詞・作曲を手掛けた「NEO」の楽曲の印象もお伺いしたいです。

niL:一番グッときたのは、最初のサビは<君は唄う>とか、<君は笑う>とか、君に対してなのに、最後のサビは<僕と君は歌う>になっていることです。1曲を通して時の経過がわかるようになっていてすごく感動しました。とにかく胸が熱くなって関わらせていただけたことに感謝しています。

常温:<認められない道を選んで バカな君は笑う>というフレーズがすごく印象に残っていて。それこそ私は「カゲロウデイズ」が公開されたころからじんさんのファンでした! 私が言うのもおこがましいですけど、じんさんらしい優しさの詰まった歌詞が、「好きにやっちゃえよ」って背中を押してくれているような気がして、最高ですね。

津田:2人は一緒に「『じんさんだ~!』」って喜んでいたよね(笑)。

niL・常温:大好きです(笑)。

津田:私だけ恥ずかしながら「カゲロウデイズ」とかニコ動を全く通らなかったんです。じんさん特有かもしれないですけど、<足掻いて>とか、結構泥臭いワードがいっぱい入っていて、ワードの選び方が強い印象がありました。物を作ることもなにかを頑張ることも、綺麗事では済まないめちゃくちゃ大変なことだと思うんです。でもその大変さを踏まえた上で、それでも止まれない衝動みたいな感情が全体に散りばめられていて、すごく熱い歌詞だなと思いました。

――『プロセカ』とじんさん、それぞれの魅力を知っているクリエイターさん同士が、奇跡的にも『プロセカ』の舞台に会してそれぞれの力を結集して制作した「NEO」のMVは、それこそ愛で満ちた作品と言えますね。

津田:ほぼすべてのカットがじんさんの歌詞とシンクロするように尽力しました。このキャラクターの映るところでこの歌詞が来るとすごく良いだろうなと計算しながら作りましたし、最後のワンダショ(プロセカ内ユニット・ワンダーランズ×ショウタイム)が出てくるところで風船が飛んでいくカットは1周年アニバーサリーソング「群青讃歌」、白い空間で新衣装を身にまとった全員が前に進んでいくカットは、2周年アニバーサリーソング「Journey」を踏襲していたり、そのほかにも色々と仕掛けをしているので、楽しんでもらえたら嬉しいです。

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