クリエイター、ファン、それぞれの“生きがい”をつなぐ幸せな祭典ーー『プロジェクトセカイ クリエイターズフェスタ2023』現地レポート

『プロセカCF』現地レポート

 6月3日、4日にスマホ用リズム&アドベンチャーゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! fear.初音ミク』の2.5周年を記念したリアルイベント『プロジェクトセカイ クリエイターズフェスタ2023』が秋葉原UDXにて行われた。

 これまでもライブイベントの『COLORFUL LIVE』やゲーム内イベントを再現した『神山高校学園祭』など、ゲームの世界をリアルに持ち込んだイベントを行ってきた『プロジェクトセカイ』。

 今回のイベントはクリエイターとファンを繋ぐ祭典とのことで、イラストや音楽などに焦点を当て、「イラスト展」「プロセカクリエイターズマーケット」「ステージ企画」の3つの企画を主に展開、創作に着目したイベントとなった。

 「イラスト展」では、イラストレーターによる書き下ろしのイラストやユーザーからの公募イラストなどが100枚以上展示された。2.5周年を祝うものからやゲーム内ユニットの世界観を表現したイラストまで様々な作品が揃い、訪れたファンらは気に入ったイラストを写真に収めたり、作品をじっくりと鑑賞したりして楽しんでいた。

 さらに会場の奥へ進むと、MVのカット解説のコーナーも。『プロセカ』に登場する各MVのカットが展示されているほか、制作者が力を入れたポイントや動画を作る際の工夫が細かく解説されていた。くわえてゲーム内ユニットの書き下ろしイラストパネルや、2.5周年を記念した寄せ書きコーナーもあり、キャラクターのぬいぐるみとともに写真を撮ったり、プロセカへの思いやイラストを描いたりと、多くのファンがそれぞれの形で盛り上がっている様子であった。

 ブースを移動すると、『プロジェクトセカイ』の収録楽曲をてがけたクリエイターたちが集う即売会『プロセカクリエイターズマーケット supported by KARENT』が開催されていた。これまで『プロジェクトセカイ』に楽曲を提供した経験のあるボカロPたちが2日間で30組以上も集結。自身のアルバムを売ったり訪れたファンとの会話を楽しんだりと、こちらも大盛況だったようだ。

 2日間で計10公演行われたステージ企画では、MCにファン歴15年の『VOCALOID』のエキスパートである清水藍を迎え、『プロジェクトセカイ』に出演している声優とボカロPをゲストに対談が繰り広げられた。

 筆者が取材した回では、ゲーム内ユニット「Vivid BAD SQUAD」に「Flyer!」を書き下ろしたChinozoと、同ユニットのメンバー・小豆沢こはね役の秋奈が登壇。ChinozoがボカロPを目指したきっかけから「Flyer!」の制作について、「普段のオリジナル曲は風呂で思いつくことが多い」(Chinozo)といった曲作りに関する話題や、「Chinozoさんが収録に立ち会ってくださって褒め倒してくれた」(秋奈)といった収録秘話まで、30分に渡って語り合った。

 ステージの最後には、“ボカロPになりたい人へのアドバイス”として「とりあえずやってみることだと思います。自分も、ギターでカバーしているときにオリジナルのフレーズとかを入れていて、『だったら自分でも曲を作ればいいじゃないか』と思い立ち、やってみたら楽しくて、ここまで来ました」と語ったChinozo。声優を目指す人に対しては秋奈が「最初は誰かの真似をしてもいいけど、自分自身の個性を活かして、『自分の強みってなんだろう』と思いながら演じていくと、よりいい方向に向かっていくと思います」と熱いメッセージを送った。

 作品が展示されている「イラスト展」、買うことができる「クリエイターズマーケット」、クリエイターを志す人たちにメッセージを送ったステージ企画。『クリエイターズフェスタ2023』はクリエイター同士が創作のインスピレーションを交換し合い、また来場者は彼らの創作論に耳を傾け、生み出された作品を手に取ることもできるという、まさに「クリエイターとファンをつなぐ」というイベントを体現したような“熱い”イベントとなっていた。

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