令和ロマンと映画監督・長久允が語る“Artistspokenの魅力” 「ダラダラしゃべってる方が説得力がある」
音声メディアの勢いが止まらない。
そのなかでも、アーティスト特化型音声メディア「Artistspoken」は、この3年でパーソナリティーを150名超まで伸ばしている。
芸人・アーティスト・文化人、多様なアーティストが語るこのプラットフォームで発信をしている令和ロマン、映画監督・長久允はどんなことを考え、日々の発信をしているのだろうか。3周年記念イベント『Artistspoken展』へ参加後の彼らに話を聞いた。
令和ロマン「無料ゾーンではくだらない話をして振り落とす」
――普段、Artistspokenではどんなことをお話しされていますか?
髙比良くるま(以下、くるま):僕らはお笑い芸人が考えるお笑いの話、有料というのを活かして、ちょっとコアな話をしています。無料の場だと恥ずかしくなるような言葉を、有料のクローズドな空間で、臆することなく言ってる感じですね。
長久允(以下、長久):僕は、映画の専門家として「最近の映画は、こういった構造だよね」みたいな話をすることもあれば、自分の作品がどうやって作られたかという話だったり、好きなお笑いの話をしたりすることもあります。映画監督が人様の映画の評論をするのって、気持ち悪いとは思うんですけどね。
くるま:それ、めちゃくちゃわかります。お笑い芸人をやっている僕らが他の人のネタをどうこういうとか、評価するのって、先輩のものだと特に言いづらいんですよね。でも、せっかくお金を払っている人ならきっと、そのくらい踏み込んだ発言をやっぱり聴きたいだろうから、それでちょうど合致しているかなって。
――無料パートと有料パートで話すことを区別したりは?
松井ケムリ(以下、ケムリ):僕らはめちゃくちゃしてます。無料ゾーンでは、ずっと天気の話をしたり、鼻声でしゃべったり。
くるま:いま、25分と時間を決めて録っているんですけど、最初の5分はいかに振り落とすかだけを考えていますね。無料民を振り落とさないと、有料の世界に勝手に入ってきちゃうので。基本、言っちゃいけないことを言ってるから、なるべく聴いて欲しくないんです。そのおかげで、Twitterに流出したことはいまの所一度もないんですけどね。どうやってデジタル民度を保てるかがカギなんです。
長久:僕はあんまり意識しないというか、しゃべりきったところで分数を決めるから、無料になる20%がどこまでかわからなくて。ただ、あまりにも好きなことの話をしていて、告知すべきことを告知できなかったことはありました。
――レターを送れるのも、このプラットフォームの魅力ですが、どんなレターが届きますか?
くるま:僕らは、もうほとんど来なくなりましたね。
ケムリ:読まないから。
長久:僕はファンとかいないんで……。
くるま・ケムリ:いやいやいやいや……!
長久:映画に対して好きとかはあるけど、映画監督に対してはないんですよ。だから、レターは来ないです。
くるま:めっちゃコアなのが来そうだなって想像してたんですけど。
長久:来ないんですよ。レター読みたいんで、みなさん書いてください、なんでも! 気さくなので!
ケムリ:あんまり自分で言わないですよ、それ。