3者3様、クリエイターたちが語るポッドキャストの魅力「リスナーの想いを“肌”で感じる唯一無二の場所」
元女子の羽つきラジオ・英翔
1人目のクリエイターは英翔。「元女子の羽つきラジオ」ではLGBTQ+の当事者である英翔が、自身の体験にもとづいた性への考え方や、リスナーさんから寄せられたお悩みについて答えていく番組となっている。
ーーポッドキャストを始めたきっかけはなんですか?
英翔:普段ショート動画を中心に活動しているのですが、もっとコアなファンを増やしたいと思い、ポッドキャストを始めました。
ーーポッドキャストのツールとしての魅力を、教えてください。
英翔:録音から編集まで一気にできるのが便利だなと感じます。また、僕はまとめて何本か収録して配信をしているので、予約投稿ができるのはありがたいですね。作業面でのストレスがほぼないのが魅力的です。
ーーショート動画とポッドキャストを比べてみて、どのような違いを感じますか?
英翔:ショート動画はテンポが重要なので、けっこうカットする部分も多いんです。でもポッドキャストは、リスナーさんの質問やお悩みに時間をかけて向き合うことができます。「心の支えです」といったメッセージをくれる方もいて、熱量の高さを感じますね。動画の配信とはまったく違う反応をいただいています。
ーー英翔さんの番組は対話形式で配信をしていますが、なぜそのようなスタイルにしたのでしょうか?
英翔:二人で話したほうが、リスナーさんの“共感”が生まれやすいかなと思ったんです。僕の意見に必ずしも共感してくれるわけではないので、もうひとり発信する人がいたほうがいいかなと思いました。話している内容が独りよがりにならないし、僕自身も話しやすいので。
ーーリスナーさんとの交流を振り返って、印象に残っていることはありますか?
英翔:こんなにも人の価値観って違うんだ、ということに気付かされます。メッセージをいただいたときに、その方の考えを肌で感じるんです。自分とはまったく違う価値観にたくさん触れることができるのは、ポッドキャストのおもしろい部分かなと思いますね。
ーーこれから番組を通して、挑戦してみたいことはありますか?
英翔:リスナーさんと電話でお話をしてみたいです。僕は「叶姉妹のファビュラスワールド」という番組が好きなんですけど、その番組ではリスナーさんのお悩み相談を電話でお受けしているんです。僕もいつかは、リスナーさんと電話でお話しすることにチャレンジしてみようかなと思っています。
うのラジ・右脳くん
次のクリエイターは右脳くん。YouTubeでは、登録者数16.9万人のASMRチャンネルも運営している。(2023年9月20日現在)「うのラジ」は、2023年6月15日から「まつぼっくりradio」として、相方とゆるいトークを配信しています。
ーーポッドキャストを始めたきっかけはなんですか?
右脳くん:もともとラジオが好きで、毎日聞いていたんです。僕はYouTubeでも活動をしているのですが、その延長でいつかラジオをしたいと思っていました。
ーーどんなポッドキャストを聞いていますか?
右脳くん:アニメ番組や、お笑い芸人さんのポッドキャストを聞いています。
ーーSpotifyに対して、どのような評価をしていますか?
右脳くん:音楽だけじゃなくてラジオだったり、朗読だったり、音のコンテンツも発信されてるので、自分の好きなものが新しく見つけやすいアプリなのかなと感じています。
ーー今年の6月からお二人で配信をされていると思うのですが、その変遷について教えてください。
右脳くん:最初は自分のことを知ってもらうためにひとりで番組を立ち上げ、1年ほど配信をしていました。そのときは活動の裏話などをして、普段の活動に紐づいた発信をしていました。そこから二人の対話形式になることで、また新しい自分が出せるんじゃないかなと思ったんです。僕自身、聞いているラジオも会話形式のものが好きだったというのもありますね。
ーー右脳さんの、新たな一面を知ることができるんですね。
右脳くん:そうですね。ASMRって、配信者自身のことを知る機会ってあんまりないんです。だから、再生はされてもファンがつきにくいという特徴があります。ポッドキャストでは、動画で見せることができなかった自分の姿を発信できるんです。リスナーからしても、自分の推しが他人と話している様子を聞けるのはメリットじゃないかと感じています。僕自身話すことも好きだし、お笑い好きな面なんかも知ってもらえるのは嬉しいなと思いました。
ーー今後やってみたいことはありますか?
右脳くん:ほかのクリエイターの方を番組に呼んで、もっとコラボをしてみたいなと思います。僕と同じASMRのクリエイターとコラボができたりすると、リスナーやファンの方もより楽しんでいただけるのではないかと思います。いろんな活動者さんと、これからつながっていけたらいいですね。
Tea with Frenzy Lazy・Meg and Hina
次のクリエイターはMeg and Hina(メグ、ヒナ)。英語と日本語が話せるバイリンガルの二人がグローバルな視点で、日常のことから海外のトレンドまでざっくばらんに語る番組となっている。
ーーポッドキャストを始めたきっかけはなんですか?
ヒナ:もともと、海外のポッドキャストのリスナーだったんです。海外みたいに英語でカジュアルに配信している人が日本にはまだいないなと感じて、二人で番組を始めました。
ーー番組は英語で配信されていますが、その理由について教えてください。
メグ:最初は日本語で配信をしていて、たまに英語の配信をしていたんです。でも英語で配信したときの方が伸びていて、じゃあ英語オンリーで配信した方がいいよねって決断になりました。
ヒナ:英語を勉強したいと思っている人が多かったのかな。番組のリスナーも、ほとんど日本人なんです。
ーー英語オンリーの配信にしてから、何か変化はありましたか?
ヒナ:配信している私たちも、英語の方がカジュアルにいろんなことを話せるので、番組自体が少しポップになったと思います。英語の方がより飾らない姿で発信できるようになりました。
メグ:恋愛とか日常のこととか、軽い話題も話しやすくなりました。リスナー的にも、そっちの方が聞きやすいんじゃないかと思います。
ーーお二人はインスタグラムやTikTokなどでも発信をしていますが、ほかのSNSに比べてポッドキャストにはどのような違いを感じますか?
メグ:ポッドキャストは、リスナーの1番悩んでいることだったり、簡単には話せないようなことも吐き出せる場所なのかなと感じます。親にも彼氏にも言えないけど、ここでなら言える。みたいな、すごくリスナーとの距離が近いツールだなと思いますね。
ヒナ:私たちは“嘘をつかない”ということを大事にして、番組をつくっています。録音も撮り直しはあまりせず、ほとんどファーストテイクなんです。リスナーが私たちのことを1番知ってくれているんじゃないかと思います。あんまり知られたくないことまでリスナーは知ってるかも(笑)。
ーー1発撮りということですか?
メグ:そうですね。台本もないし、いきなり録音ボタンを押して収録をします。二人で喋っていて、めちゃくちゃ盛り上がったら「今!!」と思って録音ボタンを押すときもあります(笑)。
ーーポッドキャストに今後期待していることはありますか?
メグ:ポッドキャストの存在を、もっと知ってもらうきっかけが増えたらいいなと思います。公開収録をしてみたりとか、幅広い層でコラボなどをしてみたいですね。
こうして、今回は3組のクリエイターに、ポッドキャストに対して感じていることを語ってもらった。誰でも自由に番組をつくることが可能で、コアなファン層を獲得できるポッドキャストの可能性はますます広がり続けることだろう。もちろん、クリエイターとしての影響力の大小は番組を始めるにあたってさして重要ではない。3人のメッセージを読んで少しでもワクワクしたのならば、ぜひ手軽に自分の声を配信してみてほしい。
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