元テレ東P佐久間宣行、上出遼平、高橋弘樹……独立後の現在地 地上波の枠を超えて様々なプラットフォームで活躍

元テレ東P独立後の現在地

 もはや1人1サービス以上は加入していると言っても過言ではない“動画配信サービス”。その影響もあってか、近年、テレビと遜色ない予算をかけたコンテンツを配信すること、名のあるプロデューサーがコンテンツを手がけることが増えたように思える。

 特に根強いファンが多い、テレビ東京のバラエティ番組を手がけてきたプロデューサーたちが独立・転職し、制作を手掛けていることが顕著に現れている。実際彼らは独立後、どのようなコンテンツを手がけているのか。2023年よりABEMAに入社した高橋弘樹P、さまざまなプラットフォームで活躍する佐久間宣行P、上出遼平Pの現在の仕事ぶりを紹介しよう。

 テレビ局から独立したテレビプロデューサーと言われて、佐久間宣行を最初に想起する人も多いだろう。1999年にテレビ東京に入社した佐久間は『TVチャンピオン』などでチーフAD、ディレクターを経験。2005年に単発番組としてスタートした『ゴッドタン』で一気に名を広めた。その後、テレビ東京のプロデューサーでありながらニッポン放送の伝統ある「オールナイトニッポン」の枠でラジオパーソナリティに。『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』は、現在に至るまでに、NPO法人放送批評懇談会によるギャラクシー賞を受賞したり、東京国際フォーラムで番組のイベントを行ったりと、テレビだけではなく、ラジオというプラットフォームでも驚異的な結果を残している。

 そんな佐久間は、2021年3月31日付でテレビ東京を退社。しかし、彼がプロデューサー、演出を行う『ゴッドタン』『あちこちオードリー』などの番組には引き続き携わっている。その傍らで、自身初のYouTubeチャンネル『佐久間宣行のNOBROCK TV』を開設したり、日本テレビ『東京03とスタア』の企画・演出を橋本和明とともに手掛けたりと大活躍。さらにテレビを越えて配信番組も新たなものを手掛けるようになり、Netflixでは2022年3月に配信された『トークサバイバー!〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜』や、2023年8月にスタートしたオードリーの若林正恭と星野源が共演する『LIGHTHOUSE〜悩める2人、6ヶ月の対話〜』などを企画から担当。次から次へと驚異的なスピードで手がけるコンテンツで、我々を楽しませてくれている。

 2017年から不定期特番として放送され、いまやNetflixやU-NEXTでも配信されている『ハイパーハードボイルドグルメリポート』。同番組は、「食べる=生きる」をコンセプトに、世界各国のギャングや兵士、難民、出所者などを密着取材し、彼らがどんな食事をして生きているかを伝える番組だ。人気に火がついた当番組は音声コンテンツやコミックスなど、いちIPとして様々なプラットフォームで楽しまれている。

 その企画、演出、撮影、編集を手がけた上出遼平Pもテレビ東京から独立した1人だ。ただ、彼の場合は、独立後、テレビの仕事をするのみならず、文芸誌「群像」(講談社)にて小説『歩山録(ぶざんろく)』の連載や、アパレル企業の映像を作るなど、表現の形の限界を決めず、手広く活躍している。今後は、ニューヨークに拠点を移すことも表明し、上出が海外でなにを仕掛けるかに注目が集まっている。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる