「ドン勝生活」「Vtuber甲子園」「神域リーグ」……ヒットコンテンツを生み出し続ける天開司が積み上げた5年間とこれから

天開司が積み上げた5年間とこれから

大きな動きのあった天開司の2019年 受け継がれる「VTuber甲子園」

ーー「VTuber甲子園」は、天開さんによって2019年に初開催されました。これはどのようなきっかけで始まったのですか?

天開:原点は2019年1月にやった、椎名唯華との対決ですね。『パワフルプロ野球 栄冠ナイン』はゲーム内で3年生時点のチームを保存できる機能があって、「それぞれが育てたチームで対戦したらめっちゃおもろいんじゃね」ってもともと考えていたんです。そこで椎名唯華を誘って実際にやってみたら、大盛り上がりだったんですよ。それで「イケる」と思って、椎名唯華、歌衣メイカ、舞元啓介、大空スバルに参加してもらって開催しました。

【#Vtuber甲子園】リーグ戦

ーー現在は「にじさんじ甲子園」に名前が変わりましたが、規模がどんどん膨れ上がっていますね。

天開:本当ですね。当時の自分に教えてやりたいです。開発元のKONAMIさんが普通に許諾してくれているし、しっかり協力までしてくれて大規模にやっているよ、って(笑)。

ーー初回の「VTuber甲子園」もREALITYが協力していて、すごい規模のイベントだと思いました。それこそ、企画の準備などは相当に大変だったのでは……?

天開:ちょうどこのタイミングで日雇いの仕事を辞めて、VTuber専業になったんですよ。それもあって、「VTuber甲子園」のようないろんな試みをする時間ができました。あの時もちゃんと許可を頂いてやったんですよね……いや、あらためて振り返るとすごいですね。

ーー具体的にはいつごろVTuber専業になられたんでしょうか?

天開:2019年の2月ぐらいからですね。そのあたりの時期から、いろんな仕事の話をいただけるようになって、「これなら専業でご飯を食べていくのも可能なんじゃないか」って思い始めたのがきっかけです。

ーー実際に専業になってみてどうでしたか?

天開:最初は不安しかなかったです(笑)。専業化を発表した時、みんな「おめでとう」ってお祝いでスーパーチャットを投げてくれて、ありがたかったけど「その後の収入ってどうなっちゃうんだろう」っていう不安もあって。でも、やるしかないなって感じでしたね。

ーー腹をくくったわけですね! いまはその決断に対してどう感じていますか?

天開:本当にやって良かったですね! これ、遅れていたらどうなっちゃっていたんだろうって。タイミング的にいろんなものを逃してしまっていたと思います。もともと北海道を拠点にしていたんですが、東京に来るのも遅れていたと思います。

ーーその前後のイベントだと、もうひとつ大きなものとして『ポケットモンスター ソード・シールド』の「剣盾にじさんじ杯」もありましたね。

ポケットモンスターソードシールド にじさんじ杯 第1部【#剣盾にじさんじ杯】

天開:当時「にじさんじネットワーク」に所属していて、にじさんじライバーを誘いやすい環境だったので、それで開催した企画ですね。同接で7万人のリスナーが来たのを、いまでも覚えています(笑)。たしか、当時の最高記録なんですよ。そのすぐあと、剣持刀也の「にじさんじマリカ杯」に抜かれましたけどね。一ヶ月天下(笑)。

ーーそれでも、7万人が見ているのはやはり凄まじい記録ですよ。改めて大きな数字だと思います。

天開:なかなかないですよね、7万人って。「にじさんじ」という箱のすごさをあらためて思い知らされたイベントでしたね。あとは、『ポケットモンスター ソード・シールド』って、VTuberが流行り始めてから初の『ポケモン』新作だったんです。そういうのもあって当時盛り上がっていたので、相乗効果がすごかったんでしょうね。

ーーそういえば、このあたりから叶さん主導の「囚人組」や舞元啓介さん主導の「V呑み」など、男性VTuberが集まることが増えましたね。

天開:当時の男性VTuberって、まだまだ不利でしかなかったので、そんな中で1年、2年とやってきて、周りに男性VTuberが増えてきたのは本当にうれしかったですね。

 VTuber視聴者の90%が男性で、いまと環境がまったく違うので、当時から見ていた人じゃないとこの感覚わからないかもしれないです。もっとも、自分のところに限っていえば、視聴者の9割が男性というのは変わっていないですけどね(笑)。最近は女性視聴者が15%くらいに増えてくれましたけど、それも最近になってようやくです。

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