バーチャルヒューマン×生成AIで生み出されるものとは  Awwの「二次創作2.0」が巻き起こすパラダイムシフト

Awwの「二次創作2.0」が巻き起こすパラダイムシフト

活況のVTuber市場を凌駕する可能性も秘めている生成系AI市場

──最近だと“AIグラビア”といった生成AIから生み出されたタレントの写真集の発売が物議を醸すなど、AIに対して懐疑的な見方をする世間の方も少なくないと思います。今後、生成系AI市場はどのように成長していくと見込んでいますか?

佐田:どんな市場においても「ハイプ・サイクル」(新しいテクノロジーの普及度や社会の受容度を示すグラフのこと)があると考えています。

 古くは1980年代にアメリカで起きた家庭用ゲーム機の「アタリショック」は、まさにその典型例と呼べるものです。

 当初は画期的なシステムやゲーミング要素、ユーザー体験が価値となっていたものが、一時のブームによってクオリティの低いものが粗製濫造されることで、そのカテゴリ自体が信頼を失って市場が低迷しました

 それで言うと、生成系AI市場はまだまだ黎明期。

 現在は技術的な敷居の低さやハードウェアのスペックの観点から、バーチャルヒューマン市場よりもVTuber市場の方が市場参加者も多くマーケットは広がっていますが、生成系AI技術やハードウェア・デバイスのさらなる進化によって、その市場が肉薄する可能性は十分にあると思いますね。

 世界に目を向けると、中国では生成系AIの登場によってバーチャルヒューマン市場が活況になっています。

 かなり多くのスタートアップがバーチャルヒューマン開発に注力していて、バーチャルヒューマンのライブコマースサービスも生まれているような状況です。

──直近では新たなプロジェクト「ANOME」を始動し、バーチャルヒューマンの可能性を広げる取り組みを加速させています。最後に今後の展望について教えてください。

佐田:ANOMEは「Another me(もうひとりの私)」をテーマにした、Vhuman(バーチャルヒューマン)のスターを生み出すプロジェクトです。

 これまでは、フォトリアルで写実的なキャラクターをオンライン上で動かせなかったわけですが、弊社の培ってきた最新鋭の3DCG技術や、すでにコモディティとなっているUnreal Engineなどを駆使し、Vhumanならではのエンターテインメントを生み出せればと考えています。

 2023年6月にはANOME所属のVhuman「美姫仁奈にきび」が、ゲーム配信のストリーミングを軸に活動していく予定で、ゆくゆくはアーティストやタレント活動を行うVhumanのプロデュースも視野に入れています。

 人の心に残る世界観やキャラクター、ストーリーを創造し、将来的にはキャラクター以外の映画やゲーム、演劇といった領域にも広げていけるように尽力していきたいですね。

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