主演女優が“自分の役“をプレイ 話題性だけじゃない、加藤小夏の『SILENT HILL f』配信がバズる理由

 俳優として活動する加藤小夏が、ゲーム配信の分野で存在感を高めている。映画やドラマ、モデルといった活動を本業としながら、YouTubeでのゲーム実況をきっかけに、これまでとは異なる層からの注目を集めるようになった。YouTubeチャンネル「SILENT HILL f を本人がやります」の登録者数は40万人規模に達しており、初回のアーカイブ動画は500万回以上の再生数を記録している。

SILENT HILL f #1 加藤小夏

 注目の背景にあるのが『SILENT HILL f』との関わりである。本作は、ホラーゲームシリーズ「SILENT HILL」の最新作として発表されたタイトルで、1960年代の日本を舞台にした独特な世界観と心理的な恐怖を軸に据えた作品だ。加藤小夏は、この『SILENT HILL f』で主人公·深水雛子を演じており、作品発表時からその存在が話題となった。

 さらに注目を集めたのが、雛子役を演じた加藤本人が、そのまま本作を実況プレイしている点だ。自分が演じたキャラクターを操作しながら物語を進めていくという構図は珍しく、プレイヤー視点と演者視点が重なり合う独特の配信になっている。ゲームプレイ中にモーションキャプチャーの裏話などが語られることもあるため、本作のファンにとっては非常に嬉しいコンテンツだ。

 加藤小夏の配信は、肩の力を抜いて見られる点も支持されている。ゲーム経験がほとんどない加藤は、ホラーゲーム特有の演出に対して素の反応を見せることが多い。もともと清純派で透明感が強い印象だが、突然の接敵で驚かされた際には「ぶっころす」「ふざけやがって」など、思わず強い言葉が出てしまうシーンもあった。

 また、コントローラーの画面操作と顔の動きがシンクロしてしまうなど、ゲームに慣れていないからこその面白い反応を見せることもある。ゲーム配信のアーカイブでは「何だこの、女優というより普通の友達がゲームやってるのを後ろで菓子食いながら見ているあの日の午後感は」「初見なのに初見じゃないのオモロ過ぎる」などの反応が視聴者から寄せられていた。

 そんなギャップや表情豊かな姿に釘付けになる視聴者が多く、実況以外の日常的なコンテンツも高再生を記録している。もともと加藤は『SILENT HILL f』をプレイするためのPS5をレンタルしていたのだが、クリア前に期限が終了したことでビックカメラにて本体を購入することに。12月10日には「PlayStation 5 を購入するだけの動画です」という2分程度の動画が公開され、すでに再生数が100万回を超えている。

 女優や声優として作品に関わり、ゲーム配信を行う事例は他にもあるが、ここまで急速に視聴数を伸ばすのは珍しい。演じた本人がゲームをプレイするという貴重さだけでなく、素の反応による親近感とギャップ、徐々にゲームに慣れて成長していく姿など、見どころが多いことが彼女の魅力なのだろう。『SILENT HILL f』のプレイが進むにつれて見えてくる他の反応や、クリア後の配信内容にも関心が集まりそうであり、今後の動きにも引き続き注目していきたい存在だ。

SILENT HILL f #11 加藤小夏

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