韓国初のバーチャルインフルエンサー・Rozy、100社を超えるスポンサー契約で大活躍中

韓国のバーチャルインフルエンサーが大活躍中

 何千、何万単位のフォロワー数を誇り、ソーシャルメディアで絶大な影響力を持つインフルエンサー。そのインフルエンサーの発言は消費者の心を掴む力を有するため、時には芸能人が企業の広告塔として起用されるケースも少なくない。そんなインフルエンサーであるが、いずれAIに代替されるかもしれない。

 コロナ禍に伴い移動の制限や3密回避が徹底されるなか、韓国では昨年8月、その国では初のバーチャルインフルエンサー「ロジ(Rozy)」が誕生。同時にインターネット上でも活動を開始し、Instagramでは2021年9月10日現在、5万7千人を超えるフォロワーに支持されている。

 保険会社の新韓ライフの広告モデルとして起用されて以来、テレビCMのほか、バスを含む公共の場にも活動の幅を広げてきた「ロジ」の年齢は永久的に22歳だ。趣味は旅行、サーフィン、スケートボード、フリーダイビング、登山、ランニングと多岐にわたるが、いずれにせよ一般的な人間の芸能人が履歴書の趣味欄に記載するようなものばかりだ。

 「ロジ」はSIDUS Studio Xが韓国発のバーチャルインフルエンサーとして開発。その後、プロフェッショナルとしての「ロジ」の活動を支えるべく、制作会社のEsteemと業務提携を締結した。SIDUS Studio XのCEO、Baek Seung Yeop氏によると、9月に入ってから同社は1週間で2倍の売上げを達成するとともに、8つの独占契約を獲得。「ロジ」に至っては2021年9月11日現在、100社を超えるスポンサー契約を締結している。韓国のファッション雑誌『W Korea』の5月号に登場するなど、ファッションモデルとしての活動が目覚ましい「ロジ」であるが、将来的には韓国発のバーチャル編集者を目指しているという。

 バーチャルインフルエンサーを企業の広告塔として起用することのメリットとしては、人間の芸能人とは異なり、スキャンダルが原因で活動休止になる恐れがないとBaek Seung Yeop氏は言う。人間の芸能人の場合、過去のいじめや薬物使用、不倫などの不祥事が発覚後、巨額の損害賠償金を請求されるケースが後を絶たず、所属事務所側にもリスクが降りかかる。一方、バーチャルインフルエンサーの場合、不祥事を起こしたかのように見せかけたフェイク動画が出回ることはあっても、それ自身が不祥事を起こすことはまずないため、芸能事務所側にリスクが降りかかる心配もない。

 バーチャルインフルエンサーのメリットは以上にとどまらない。撮影場所についてはコンピュータグラフィック技術を活用して、その都度生成可能であるため、パンデミックで移動が制限されてもバーチャルインフルエンサー活動に支障を来すことはない。さらに、人間の芸能人はいずれ年をとり、身体能力が低下して様々な病気に罹りやすくなる。一方で、バーチャルインフルエンサーは永久的に年をとらない設定となっている以上、加齢に伴う病気による入院や死亡の可能性はほぼゼロだ。バーチャルインフルエンサーを運用する企業が倒産しない限り、ファンの心の支えとして、ファンとともにあり続けることが可能だ。

 なお、バーチャルインフルエンサーの存在そのものについては、「ロジ」の登場が世界初ではない。すでにビルボードの音楽チャートで第47位を獲得した「リル・ミケーラ(Lil Miquela)」や、世界初のスーパーモデル「シュードウ(Shudu)」がグローバルに活躍しており、さらに日本からもバーチャルスーパーモデル「イマ(Imma)」が登場している。コロナ禍が続く限り、バーチャルインフルエンサー市場は拡大し続け、5年以内には約1兆3千億円規模に達するとも言われているだけに、ライバルのさらなる登場も予想されるなかで、ESteemが世界的なバーチャルインフルエンサーである「リル・ミケーラ」や「シュードウ」、「イマ」との差異化のために、どのようなブランド戦略を展開していくのかに注目である。



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