“海外展開を目指すならまずは日本から” Vライバーユニット「武士来舞」の今後の戦略も明かされた「IVS2023 KYOTO」レポート
「海外進出を狙うにおいても、大事なのはまず日本」 柳氏にインタビュー
最後に、トークセッションを終えたばかりの柳氏に話をうかがった。
ーー今回「IVS2023 KYOTO」に企業パートナーとして参加された狙いを教えてください。
柳:イチナナの認知度は上がってきているものの、まだ100%ではないので、IVSのような大きなビジネスの場で、改めてイチナナを知っていただいて、今後のビジネスを展開していくきっかけになればと思い参加を決めました。新しいコラボやビジネスが生まれれば、ライバーさんにとってもメリットになりますからね。
先ほどのトークセッションの登壇後には、いろんな業界の方からたくさんのお声かけをいただきました。かなりおもしろいことになりそうな企画のお話もありましたし、これだけでもIVSに参加した意義があったと感じています。
ーーどのような業界の方とお話しされたんですか?
柳:1つは、技術系の会社さんですね。より充実した技術的サポートを提供することで、Vライバーさんが活動するにあたっての負担が減りますから、当社としても強化していきたい部分なんです。また別の会社さんからはタイアップのお話をいただきまして、新たなコラボの種が生まれたように思います。
ーー先ほどのトークセッションで、特に印象に残っていることはありますか?
柳:皆さんそれぞれ、“日本だけにとどまらず、海外ファンをどう取り込むか”を考えていらっしゃるのが印象的でした。「武士来舞」も海外の展開を意識したユニットですし、バーチャルで活躍する方たちの海外展開も、今後さらに広がっていくだろうなと思いました。
質問タイムのときに感じたのは、多くの方がVライバーに興味をもってくれていることですね。想像していた以上にVライバーについての質問が多くて、業界の方にとってもまだまだ熱量の高い分野なんだと。
ーー「武士来舞」は、海外展開を見据えつつも、まずは日本語で配信していく形ですよね?
柳:そうです。ただライバーさんのオーディションのときに、英語に苦手意識がないかどうかは確認しました。英語がペラペラである必要はないですけどね。
海外展開といっても、まず最初は日本でしっかりファンを獲得していくことが重要だと思っています。1年ほど日本で安定した基盤を作ってから、海外へ進出するのが理想ですね。台湾をはじめ、海外のファンの方たちは、Vライバーを日本のカルチャーとして認識していて、日本でどんな活動をしているかをチェックしているんです。そのときに情報がないと困るので、日頃の活動内容がわかるように、コンテンツをストックしておく必要があります。テレビへの出演や楽曲リリースのほかに、YouTubeでの配信も考えています。Vライバーの「歌ってみた」も人気なので、どんどん動画を出していきたいです。
ーーイチナナ初のIPとなりますが、IPと聞くとキャラクター設定がかっちりと決まっているような印象も受けます。Vライバーさんへの負担はないのでしょうか?
柳:負担とならないように、できるだけキャラクターのイメージに近い地声をもっている方を選びました。設定も作り込みすぎないようにしていて、演じる必要がないようなキャラクターの打ち出しができたらと思っています。ライブ配信はスピード感が大事なので、ご本人らしさを出しながら、ファンの方とのコミュニケーションの中で、キャラクターを作っていくのが理想ですし、それができるのが配信の良いところだと思っています。
「武士来舞」は、Vライバーの海外進出を牽引する存在となるのか。今後の動向に注目したい。
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