ライブ配信サービスで「Vライバー」の需要が高まる 8割のユーザーが課金、自らが配信したいという意向も増加

ライブ配信で需要が高まる「Vライバー」を調査

 ここ数年で「VTuber」は一気にあらゆる世代・属性の人が知る単語となり、CMや街頭広告などでその姿を見ることも増えた。

 では、そんな「VTuber」と一部活動内容を同じくする「Vライバー」をご存知だろうか。「Vライバー」はいわゆるアバターやバーチャルキャラクターを使ってライブ配信をする存在のことを差し、その中でYouTube上にてライブ配信を行うほか、録画・編集した動画を投稿するものを総称して「VTuber」と呼ぶことが多い。

 しかし、なにも「Vライバー」はYouTubeだけに限った存在ではない。『17LIVE』、『IRIAM』、『REALITY』といったライブ配信サービスが普及し、環境が整ったことで、ライバーとしての活動の選択肢が広がっているのだ。

 本記事では配信サービスの中でもとりわけ「Vライバー」の勢いが増しているという大手配信アプリ『17LIVE(イチナナ)』の協力をもとに、「Vライバー」の盛り上がりを調査した。

『17LIVE』で約8割のユーザーが「Vライバー」に課金

 この章では、『17LIVE』のアプリ内ユーザーを対象に取ったアンケートの結果をもとに、「Vライバー」の盛り上がりを紐解いていく。

 まずは「Vライバー」に限らず、VRやARをはじめとした「バーチャル技術」全般の浸透度について質問した。その結果、9割近くの人が認知している旨を回答した(「知っている(72.4%)」「聞いたことがある(16.2%)」)。

 次に、『17LIVE』に限らず、「VTuber」や「Vライバー」など、「アバターやバーチャルキャラクター」を使ったライブ配信を視聴しているかを尋ねた。「現在視聴している(36.6%)」と「過去に視聴したことはある(30%)」を合わせると66.6%、ちょうど3人に2人が一度は「Vライバー」を見たことがあることになる。さらに『17LIVE』にて普段視聴する配信ジャンルについての質問では、「雑談(1245)」「歌(834)」に続いて、「Vライバー(405)」という結果となり、『17LIVE』のユーザーの間ではメジャーなジャンルになっているようだ。

 いつからこれほど人気なのだろうか。実はこの盛り上がりはこの1年で醸成されたようだ。「Vライバー」の配信を現在視聴している人のうち約3人に2人のユーザーが、この1年で配信を視聴する機会が増えたと答えた(「増えた(43.7%)」「やや増えた(21.3%)」)。

 さらに「一度視聴をした」程度の話ではなく、「Vライバー」は日頃から視聴されている。頻度は「ほぼ毎日(50.9%)」「週に数日程度(31.6%)」「週に1日程度(9.4%)」と続いた。半数のユーザーがほぼ毎日「Vライバー」に触れており、生活にすっかり溶け込んでいるようだ。

 では、なぜユーザーは「Vライバー」の動画を好んで見るのだろうか。生身の人間が配信しているライブ配信が多い中で、あえて「Vライバー」を選ぶユーザーだ。きっとキャラクターのデザインに魅力を感じているのだろうと筆者は予想したが、どうやら違うようだ。

 視聴する理由のベスト3は「ライバーの声が好きだから(834)」「ライバーの話し方や性格が合うから(225)」「配信内容が気に入っている(179)」の順になった。キャラクターの見た目については意外にもベスト3には入らず、従来のライブ配信と同様に“どんなパーソナリティをもっているか”という魅力が決め手になっているようだ。

 また、1か月間の平均的な課金額を尋ねると、約8割(76.9%)のユーザーが課金していることが判明した。無料視聴ができる場でありながら、かなりエンゲージメントが高いことがわかる。

 今後も『17LIVE』の「Vライバー」の配信を視聴したいかを尋ねると、「是非続けたい(46.6%)」「やや続けたい(41.9%)」と、続けたい意向のユーザーが多く、90%近くのユーザーが「Vライバー」によるライブ配信に満足していることが伺える。課金ユーザーが多いことと合わせてみると、ライブ配信サービスは、「Vライバー」を視聴する環境として適していることも判明した。

 上記の結果から、リアルの人が配信するプラットフォームとして多くのユーザーをかかえる『17LIVE』にて、「Vライバー」ジャンルは盛り上がっていることは確かなようだ。そしてその盛り上がりを牽引するような魅力的なライバーがいるということも結果として判明した。

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