ストレス社会の救世主? 芸人ぱーてぃーちゃんのYouTubeチャンネルで“ギャル”に関するすべての欲望を満たそう

 個人的にいま、一番観ていて元気になれるYouTubeチャンネルは、圧倒的に芸人・ぱーてぃーちゃんの『ぱーてぃーちゃんの今夜はなにパ?』一択だ。

 ぱーてぃーちゃんはすべてのネタを作成するブレーン「すがちゃん最高No.1」と野性のギャル2人「金子きょんちぃ」「信子」からなる男女トリオで、結成3年目ながら「2023年ネクストブレイクランキング」の女性タレント部門において9位を獲得するなど、いま最も注目すべき芸人の1組。その派手な見た目に惑わされがちだが、ぱーてぃーちゃんの魅力は「ただ喋っているだけで最高に面白い」というところだ。異常で喜怒哀楽の振り幅で暴れまわるアッパー系ギャル・信子と、フワフワとした雰囲気から心臓をエグる一言を放つダウナー系ギャル・きょんちぃ、そして2人に振り回されつつもしっかりと手綱を握るすがちゃん最高No.1という奇跡のトリオバランスから生まれる世界観は、他の芸人たちでは味わうことのできない圧倒的なクセの強さがある。

 このチャンネルはそんな3人をより深く知ることができるのだが、その「深度」がすごい。いくら自分たちのYouTubeとはいえ、ぱーてぃーちゃんも立派な芸能人。普通はその行動や発言にブレーキがかかってしまうはずなのだが、ぱーてぃーちゃんに関してはそのブレーキが格段にガバガバで「そんなこと言っていいんですか?」「そんなことまでやってくれるんですか?」という倫理観が崩壊した「古き良きYouTubeチャンネル」の雰囲気を随所に感じさせる。いや、実際はちゃんと考えて作られているのかもしれないが、その作り込みをいっさい感じさせず、動画を観るたびにどんどんぱーてぃーちゃんを身近に感じ、虜になってしまう。

 本人たちも動画で語っていたが、ぱーてぃーちゃんを最も支持している層は「20代~50代の男性」で、社会のストレスにさらされている男たちがぱーてぃーちゃんの動画を観て元気になっているという。完全に自分のことを言われているのかと思った。私は「ギャル」とは関わりのない人生を送ってきた。典型的な平凡学生だった私にとって、ギャルは決して交わることのない存在、例えるなら太陽と月だった。しかし、だからこそギャルというものにとてつもなく惹かれてしまう。「ギャルに甘やかされたい」「ギャルに罵倒されたい」「ギャルの笑顔が見たい」このチャンネルはそんな我々の欲望を全て叶えてくれる。今回はそのなかでも特におすすめの動画を3つほど紹介したい。

【ルーティン】怠惰を尽くしたギャルのリアルなんだぜ!#108

 金子きょんちぃのモーニングルーティンを収めた動画は、もはや本人にカメラを向けられている意識があるのかすら分からない、ただただひたすらにギャルの生体を記録した映像なのだが、その一挙手一投足すべてがあまりにも「最高」だった。タイトルの通りこれこそが本当のリアル。一刻も早くどこかの偉い機関に提出すべき素晴らしい研究資料だとすら思った。

【欲しがりさんへ】ギャルによるギャルの攻略徹底解説なんだぜ!#21

 信子の落とし方を徹底解説した動画では、ひまわりのような笑顔で意味不明過ぎる角度から自分の好みを語る信子、急に歯が抜けるハプニングがありつつも信子のトークを的確に通訳するきょんちぃ、とんでもない反射神経で2人をツッコむすがちゃんという、ぱーてぃーちゃんの良さが存分に詰まっていた。そして、実は信子がこの時に語っていたタイプと完全一致した相手と結婚していた、という誰も予想できない伏線回収は『ONE PIECE』かと思った。

【菅野は男として何点?】人気女性芸人がガチ採点なんだぜ!#126

 最後に紹介するのは、女性芸人に電話をし、すがちゃんが男としての何点なのか採点してもらう「モテTOEIC」。のっけから「人生で初めてくらい男として見られてない。それは圧倒的ユニーク性がボクの男としての部分を曇らせてしまっている」というすがちゃんの異常なまでのナルシストぶりに対し、「モテ過ぎる美人の人って訳分かんない男連れてる事多い」「真実見抜かれたら終わるって」「そんな好かれてなかった男として」「顔面の点数高かったけど(メイクに2時間かかった)写真の話してた」「脱毛何年行ってんの?」と容赦なくズタボロにする2人のギャル性がまざり合った最高の回だった。

 そんな愛されるポイントしかないぱーてぃーちゃんだが、個人的な3人の一番の「推しポイント」は、見た目からは想像もつかないほどの「熱さ」にある。見た目の軽さからは想像もつかないほど、3人とも心の底からお笑いが好きだということが伝わってくる。特に3人の賞レースにかける想いは半端ではない。いつか3人が決勝の舞台に立ち日本中にギャル旋風を巻き起こし、ぱーてぃーちゃんの決めポーズ「YSL(イヴ・サンローランのロゴ)」が爆発的に流行り、イヴ・サンローランと正式に仕事をしてほしい。

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