コンプライアンスの真逆をいくYouTuber・たまゆら学園 相方への“愛情”と“優しさ”によって成立するコント
コンプライアンス全盛のこの時代において、真逆の立ち位置で唯一無二の存在感を見せているYouTubeチャンネルがある。それが「たまゆら学園」だ。
たまゆら学園は、ボケ担当の植木おでんとツッコミ担当のわたあめりなからなる吉本興業に所属する男女お笑いコンビで、結成は4年目ながらチャンネル登録者数は2023年4月現在で27万人を超えている。「恋愛×妄想×下ネタ×セクハラ」が絶妙にミックスされたコントは、悶々とした日々を過ごしている全ての男女に突き刺さり、特にYouTubeのショート動画やTikTokで人気を博している。特にモテすぎてどんなシチュエーションでも女性からアプローチをかけられてしまう「モテすぎた男シリーズ」は、100万回再生超えを連発している。
チャンネルのコンセプトは「妄想では付き合ってるカップルチャンネル」。これだけ読んでも全く意味が分からないと思うが、その認識は間違っていない。ここにたまゆら学園のヤバさが凝縮されている。かつてはペコリーノという男性1人女性2人のトリオで活動したのだが、その芸風はたまゆら学園になっても全く変わっていない。彼らの芸の根幹はなんと言っても植木おでんの変態的なまでの「妄想力」。相方を「彼女」と思い込み、デートと称したVLogでセクハラや下ネタを狂ったように連発する。どんな状況においても1ミリもキャラクターをブレさせず、淡々と自分のペースに持っていく強かさもあり、YouTuberとしてだけでなくいち芸人としてもかなりのポテンシャルを秘めている。
そして、そんな植木おでんの奇行を嫌がりつつも全てスルーせずにツッコむわたあめりなも十分な逸材で、植木おでんのパートナーは彼女でしかあり得ない。植木の無茶苦茶すぎる要望に完璧なアクションを取り続け、コントとなれば圧倒的すぎるほどの「イイ女感」を演出する。男であれば一発で彼女の虜になってしまうだろう。また、植木おでんは立教大学、わたあめりなは慶應義塾大学出身と、2人共かなりのインテリという意外すぎる一面もあり、知れば知るほど魅力が溢れ出してくる。
そんな2人を深く知っていくと確固たる「芯」を持って芸人をやっていることが分かってくる。
「僕ってりなちゃんにセクハラみたいなことするじゃないですか。これってダメな例ですからね、日常生活で。そんなことしちゃいけないっていうことをやって、それでりなちゃんに注意を受けると。そのサマをみなさんに楽しんでいただこうじゃないかと。そういうことなので、基本的にはどんな状況でもどんな相手に対しても僕みたいなことを言ったりとかするのは非常に良くない。そしてなんで僕たちがそれを成立しているかって言うと、長年関係性を築き上げてきたカップルなので。信頼関係が築き上げてきたカップルなので許されるっていう」
これは、昨年の生配信において「アルミホイルを丸めてピカピカの金の玉を作る」という企画で、わたあめりなに対する度を超えたコメントに対して植木おでんが放ったメッセージだ。数少ない植木おでんの「素」が見えた一場面で、最後は芸人としてオチをつけているが、わたあめりなに対する(相方としての)圧倒的な愛情と優しさを感じて感動すら覚えてしまった。それからというもの、植木おでんが大沢たかおに見えて仕方がない。
昨年は、初の単独ライブ『結婚式』を見事成功させ、M-1グランプリ、キングオブコントなどの賞レースにも精力的に挑戦するなどYouTubeだけでなくネタにも磨きをかけているたまゆら学園。個人的にはどんなカップルYouTuberよりも幸せを願っている。2人の行く末にこれからも目が離せない。
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