原作ゲームに匹敵する評価を獲得したアニメ3選 『シャニマス』『ライザのアトリエ』のアニメ化発表を機に考える

原作ゲームに匹敵する評価を獲得したアニメ3選

 3月19日、2つの人気ゲーム作品のアニメ化が発表された。その作品とは、『アイドルマスターシャイニーカラーズ』(以下、『シャニマス』)と、『ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜』(以下、『ライザのアトリエ』)だ。

 人気シリーズの派生・ナンバリング作品として一定の評価を獲得している両タイトルは、アニメ分野でも同等の成功を収められるだろうか。本稿では、『シャニマス』『ライザのアトリエ』のアニメ化を入り口に、原作ゲームに匹敵する評価を獲得したアニメ化作品を振り返るとともに、その傾向から「ゲームのアニメ化における成功条件」について考えたい。

相次ぐゲーム作品のアニメ化。『シャニマス』『ライザのアトリエ』はどんなゲーム?

アニメ「アイドルマスター シャイニーカラーズ」ティザーPV

 『シャニマス』は、バンダイナムコエンターテインメントが展開する人気シリーズ「THE IDOLM@STER」から誕生したブラウザ向けシミュレーションゲームだ。プレイヤーはアイドルグループのプロデューサーとなり、特訓やトレーニングを通じて、登場するキャラクターたちを育成する。ゲームの大目的は、全アイドルが憧れる夢の祭典「W.I.N.G.」で優勝すること。そのゴールへと辿りつくために、スキルやアビリティ、育成ボーナスといった要素を駆使しながら、より魅力的なアイドルのプロデュースを目指していく。

 『シャニマス』は2018年4月、同社オリジナルのゲームプラットフォーム・enzaにてサービスが開始された。2019年3月には、Android/iOSに対応したアプリ版もリリースされている。同タイトルはこれまで、音楽やマンガ、インターネットラジオなど、幅広いジャンルでメディアミックスが展開されてきたが、アニメ化は初めてのこと。「THE IDOLM@STER」シリーズからは多くの人気アニメが誕生しているだけに、今回のメディアミックスには、期待の声が上がっている。放送時期は2024年春とのこと。2023年10月には全国47都道府県にある75の映画館で劇場先行上映も予定されている。

アニメ『ライザのアトリエ 〜 常闇の女王と秘密の隠れ家 〜』特報

 一方の『ライザのアトリエ』は、コーエーテクモゲームスが展開する人気RPG「アトリエ」シリーズの1作だ。プレイヤーは錬金術師見習いの主人公、ライザリン・シュタウトとなり、一人前の錬金術師となることを目指す。その物語には人との出会いや別れ、そのなかで人間的にも成長していくライザの姿が描かれている。ストーリーの進行にともなって発生するクエストを、調合やバトルといった要素を通じてクリアしていくことが、同タイトルにおけるゲーム性だ。

YouTube「『ライザのアトリエ』プロモーションムービー」より

 『ライザのアトリエ』は2019年9月、PlayStation 4/Nintendo Switch向けに発売された。リリースから1か月後の2019年10月には、PC(Steam)にも展開。シリーズ伝統の錬金術師の物語を軸としながら、調合やバトルといった根幹システムに進化を盛り込んだ同タイトルは、大きな支持を獲得し、スマッシュヒットを記録した。そうした成功を背景に、2020年12月には『ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜』、2023年3月23日には『ライザのアトリエ3 〜終わりの錬金術士と秘密の鍵〜』もリリースされている。

YouTube「『ライザのアトリエ』プロモーションムービー」より

 「アトリエ」シリーズにとってアニメジャンルでのメディアミックスは、『エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~』以来、約9年ぶりのこと。放送時期は2023年夏を予定しており、原作のアニメーションに携わったライデンフィルムが制作を担当する。

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