『FGOフェス2022』レポート。久しぶりの“祭り”に感じた「7周年」という時間の長さ
スマートフォン向けアプリゲームとしてシーンを牽引している大人気作『Fate/Grand Order』による大規模フェスティバル「Fate/Grand Order Fes. 2022 ~7th Anniversary~」が、2022年7月30日・31日に幕張メッセにて開催された。
『Fate/Grand Order』とフェスティバル/イベントの関係はとても深い関係にある。「FGO夏祭り2016 秋葉原 1st Anniversary」を大きなターニングポイントとし、初の幕張メッセでの公演となった「Fate/Grand Order Fes. 2017 ~2nd Anniversary~」以降、島崎信長・高橋李依・田中美海といった出演声優陣のトークを始め、司会役にはマフィア梶田を据え、ゲーム制作や運営に携わるスタッフ陣が随所に顔を出していく異色のフェスティバルとなった。
フェスティバルという場だけでなくラジオ番組なども多くこなし、「制作時の裏側」「『Fate』シリーズへの愛情」「一人のマスター(ゲームプレイヤー)としての偏愛」など様々な想いを語っていく多彩なトーク内容が、多くの『FGO』ファンの胸を掴んだことは記憶に新しい。
また、こういった大きなイベントに合わせゲームの新情報が発表されることも、多くのファンが注目を集める理由となり、まさに「祭り」のようになっていった。
2018年・2019年と徐々に巨大化していた同フェス、2019年に幕張メッセにて開催した際には約3万人ものファンが来場するほどの大盛況ぶりを見せていたが、コロナ禍の影響で2020年は中止、2021年にはオンライン開催と、リアルの熱狂からは遠ざかっていた。
だが、昨年末から今年にかけて「Fate/Grand Order カルデア・サテライトステーション 2021-2022」を、福岡・静岡・高知・北海道の4地区にてイベント開催を企画。中止となってしまった会場もあったが、今回は約3年ぶりとなる大型リアルイベントとして開催となった。
超巨大な作品シリーズ、長大なストーリーラインへと成長した『Fate/Grand Order』。今年配信予定となっている第2部第7章が本格的にアナウンスされるだろうか?など、マスターたちの緊張感は非常に高かっただろう。なにより先述したように「大型会場を使ってFGOの世界観を存分に楽しめる」久しぶりの機会とあって、大きな期待がかけられていたのは間違いない。
午前9時に開場するとオフィシャルコスプレイヤーや着ぐるみが一堂に勢揃い、この日を待ちわびた来場者を出迎え、夢の2日間がスタートした。
さて、今回の「Fate/Grand Order Fes. 2022 ~7th Anniversary~」も過去のイベントに負けないくらいの多彩なアトラクションが揃い踏みしていたが、注目すべきポイントを絞りながら記していきたい。
入場ゲートからすぐの場所には、大画面に彩られたウェルカムビジョンが来場したマスターらを歓迎していた。思わず足を止めて遠くから撮影する人が大半だったが、円形になったステージのど真ん中に立てば、360°からセレブレーションを受けるという極上体験を味わうこともできた。
また、本イベントはRe:Collection"="回想・追憶"をコンセプトにしていることもあり、第2部の振り返りながら楽しめるアトラクションが多かった。
たとえばウェルカムゲートからみて左側には「サーヴァントと巡る世界展 - Re:Collection -」が展開されており、ロシア、北欧、中国、インド、ギリシャといった第2部で訪れた世界の各エリアを巡る展示会場となっていた。
描き下ろし衣装に身を包んだサーヴァントが各場所でマスターを出迎え、専用のボイスを聴くために足を止める姿も多く見られた。ゲーム内では「英霊夢装」としてゲットできるうえ、Fate/Grand OrderのYouTubeチャンネルにて場内で放送されていたボイスが公開されているので、まだ未聴のマスターにはぜひ聴いていただきたい。とくにジークフリートとクリームヒルトの会話は、現地でも多くのマスターが聴き惚れていた。
ウェルカムゲートからみて右側には「ストーム・ボーダー シアター」が上映されており、第2部の第5章および第6章を振り返る特別編集版として会場でしか見ることができない映像を見ることができた。
小規模なステージながら前からだけでなく席の後ろ・左右から音が出ていたり、映像ビジョンそのものも想像以上に大画面で迫力十分。内容の良さも相まってグっと心惹きつけられるものがあった。
「ストーム・ボーダー シアター」の近くでは、「英霊召喚フォトスタジオ」が展開されていた。アトラクションの内容としては、パネルの案内に沿って操作を行いサーヴァントと記念撮影できるというもの。342騎(!)ものサーヴァントが選択でき、その中から1騎を選び、撮影写真はその場で持ち帰ることもできるうえに、画像データをダウンロードすることもできるという内容だ。
このほかにも「宝具展示コーナー」や「カルデアキッチン」に加え、縦8m×横11m×奥行5.2mに仕上がった超巨大なケルヌンノスが会場ド真ん中で圧倒的存在を放っていたりなど、見どころスポットやアトラクションが随所に揃っていた。
当然、待機列が各所に起こったのは無理もない。午前11時から昼頃にかけての盛況ぶりは目を見張るもので、整理券番号や整理券を配布するアトラクションなどもあったが、15分から20分の待ち時間は当たり前。サーヴァントをモチーフにした料理が販売されていた「カルデアキッチン」や「英霊召喚フォトスタジオ」では待ち時間100分を超えていたタイミングもあり、「あの盛り上がりが薄れることなく戻ってきた」という感覚が沸き起こって、すこし感慨深くなってしまった。