『アノニマス・コード』は『シュタゲ』を超えられるか? シリーズ最高傑作となる条件を考える

『アノニマス・コード』は『シュタゲ』を超えるか?

 MAGES.は3月18日、『ANONYMOUS;CODE(アノニマス・コード)』(以下、『アノニマス・コード』)を2022年7月28日に発売すると発表した。

 『STEINS;GATE』などの作品で知られる『科学アドベンチャーシリーズ』の最新作は、高すぎるファンの期待に応えうるタイトルとなれるだろうか。その必要条件、十分条件を考える。

開発発表から7年の科学アドベンチャーシリーズ最新作『ANONYMOUS;CODE』

科学ADVシリーズ最新作『アノニマス・コード』PV5

 『アノニマス・コード』は、MAGES.が開発・発売(開発についてはニトロプラスと共同)するADVタイトル。2008年より続く『科学アドベンチャーシリーズ』の最新作だ。企画・原案を担当するのは、シリーズの全作品(『CHAOS;HEAD』『STEINS;GATE』『ROBOTICS;NOTES』『CHAOS;CHILD』『OCCULTIC;NINE』)で同様の役割を担った志倉千代丸。シナリオと音楽には、志倉とともに過去作品に携わってきた林直孝、阿保剛がクレジットされている。

 同タイトルは2015年に存在が明らかとなり、当初2016年冬のリリースを予定していたが、相次ぐ延期、白紙化を経て、2020年1月に来冬(2020年12月〜2021年2月)発売が告知されていた。その後も二度にわたり、発売時期が延期(→2021年秋→2022年)となっていたが、ここにきてようやく具体的な日付が発表され、リリースまでのカウントダウンが始まることとなった。

 対応プラットフォームは、PlayStation4とNintendo Switch。価格は2022年3月現在、未定となっている。

『アノニマス・コード』は、シリーズ最高傑作を超えられるか

 科学アドベンチャーシリーズとして、前作『OCCULTIC;NINE』から約5年ぶりの最新作となる『アノニマス・コード』。同タイトルの動向には、発表当初から注目が集まってきた。先の5作とは直接的な話のつながりがないなかで、なぜこれほどの期待が寄せられてきたのか。その理由は、シリーズ第2作『STEINS;GATE』の名があまりにも大きすぎるからだ。

PS4/PS Vita/Switch『STEINS;GATE ELITE』オープニングムービー

 『STEINS;GATE』は、2009年にXbox 360で発売されたADVタイトル。『未来ガジェット研究所』と名付けられたラボに所属する8名の登場人物と、その周辺で巻き起こる不思議な出来事を描いたSFの金字塔だ。これまでリメイクや複数のスピンオフの発売、アニメ化、映画化、舞台化、パチスロ化など、さまざまな形でコンテンツの水平展開がおこなわれており、主だったもののほとんどが一定の評価を獲得している。「第1作『CHAOS;HEAD』発売時には、シリーズ化する予定がなかった」というエピソードからも、『STEINS;GATE』が文化的・商業的にどのような評価を受けているのかがわかるだろう。登場するキャラクターたちの個性、プレイヤーを没入させる秀逸なシナリオ、緻密に練られた伏線とその回収、それらすべての魅力を拡張させる豪華声優陣と、ざっと挙げただけでも、金字塔になるべくしてなったことがわかる要素が、同作にはあふれている。

 前項で紹介したように、『アノニマス・コード』の主要なパートを担うクリエイターたちは、3人ともが『STEINS;GATE』に携わったメンバーだ。直接的な話のつながりがなかったとしても、やはりその先に、ジャンルの金字塔でもあるシリーズ最高傑作の存在、プレイを通じて体験した衝撃や感動を重ね合わせてしまうのだろう。もちろん私も、そうしてしまうフリークのうちのひとりだ。

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