瀬戸内の中心でレトロモダンに触れる 広島出身の声優・反田葉月と巡る「街・食・海」 

声優・反田葉月と巡る広島県の「街・食・海」 

尾道に来たら自分だけのオリジナルコースを探そう!

 尾道といえば広島でも多くの観光客が訪れる街。尾道ラーメンや瀬戸内の魚(アコウ,オコゼ等)などの各種グルメ、最近ではしまなみ海道を自転車で走るなどサイクリングスポットとしても人気を博している。見所満載な街をガイド片手に巡るのも良いが、散歩気分でカメラ片手にふらりと歩くと現地でしか見られない光景に出会えるのが楽しい。今回は故あって早朝から尾道水道方面に。

 実は日本でもここだけという位の珍しい光景を目にすることができるからだ。それが、渡船の朝のラッシュだ。尾道水道を挟んで僅か数百メートル対岸の向島と尾道を結ぶ3本の渡船がひっきりなしに交差する光景。通勤・通学の人々や自転車、車などが渡船に乗り込み、そして飛び出してゆく。「まるで映画やドラマのワンシーンみたい。見ているだけでも楽しいですね」と反田さんが感じたように、柔らかな陽光の下、渡船をバックにして、実際に数多くの映画やドラマでも登場するシーンを実際に目にすることができる。

 尾道水道方面の散策を楽しんだら尾道商店街を抜け、次は千光寺ロープウェイで山頂へ。朝9時から始まる千光寺ロープウェイは、尾道を展望できる千光寺公園山頂へと3分で到達できる。2022年に新しく整備された展望台は尾道を見下ろせるほか、遠くは四国まで見渡すことができる。

 同じ瀬戸内海を見下ろせる場所でも神峰山とは異なり、都市が間近に見え、貨物列車が走ったりするのは「まるでミニチュアを眺めているかのようで楽しいですね」と反田。レトロとモダンが交差し続けた街だからこそ、ほかにはない風景がそこにはある。

 山頂からは徒歩で再び海側へ。猫の細道など、細く入り組んだ海辺の街ならでの風景を目にするのも楽しい。歩いたらお腹も減り、街についたら昼ごはんの時間だ。名物の尾道ラーメンでもオシャレなカフェでも、自分が気になる店に入ってみよう。

レトロでモダンな三原の新名物「広島みはらプリン」に初対面

 尾道で思い思いのランチを食べたら三原市へ。これまで巡ってきた街と同様、こちらも瀬戸内に面した街だ。地理的には広島県の中央部分にあたり、空港と新幹線駅を擁する交通の要所でもある。旧国名でも安芸(竹原方面)と備後(尾道方面)両面へ跨って発展してきた歴史を持つ。ここはかつて名将・小早川隆景によって築かれたとされる三原城(城跡)や、やっさ踊り、蛸などで有名。そして、新たなる名物として最近誕生したのが「広島みはらプリン」だ。


 山海の幸に恵まれた三原の良さをプリンとして表現しようという取り組みで、三原の食材をひとつ以上は使用するのをテーマとして多くの飲食・菓子店などが独自のプリンを生み出しているのが特長。当地の卵だったり、牛乳だったり、フルーツなどそれぞれ嗜好を凝らしたプリンが続々と登場している。

 現在、市内各所の販売店や空港、駅、道の駅などで販売されており、反田さんが見つけたのは駅での販売店。ショーケースを覗き込みながら「めっちゃありますね。どれも気になる~」と興味津々。広島で生まれ育ち、三原を何度も訪れている反田でも三原プリンは初めてだった様子。販売スタッフに聞けば、少量しか作られないタイプも多いので直ぐに売り切れてしまったりするそうで、旅の醍醐味である出会いのプリンでもある。多くのプリンを見ていた反田が「えっ蛸?のプリン……!?」と反応。

 そう、広島みはらプリンの面白い所は甘いデザートタイプのプリンだけでなく、茶碗蒸しのように魚介や肉が入った惣菜的なデリカプリンも存在してるのだ。たしかに蛸は三原の名物なので、しっかり条件を満たしている。

 気になるプリンを買ったら早速試食。まずは気になると語っていた蛸のプリンから。こちらは『たこのプディング・サレ』という商品で三原のやっさタコや野菜などを使っている。クリームチーズ仕立てで「最初に思っていたより食べやすいですよ」と反田。気軽に名物の蛸が食べられるのも嬉しい。続けて甘いデザートプリンを試食。

 三原産の米粉を使ったきな粉プリンや、イチゴなどのフルーツを使ったプリンなどを食べて「どれも美味しいのは勿論ですが、素材の味わいを感じられる優しい味わいが多くてレトロな硬めに仕上げられていたり、口溶け柔らかなトロトロプリンだったりと個性がそれぞれあって面白いですね」と満面の笑みで完食した反田。

 今回の広島旅では広島で生まれ育った反田でも知らなかった場面が満載だったようで「子どものころに家族で訪れた場所でも切り口を変えて見て、訪れるとまだまだ知らない魅力があったんだと気付きました。広島のセンターポジションであっても意外と知らない部分も多いので、これからも自分だけのオリジナルコースを見つけられたら楽しいので、また訪れたいですね」と嬉々として語ってくれた。レトロとモダンが緩やかに交差する瀬戸内のど真ん中。是非、当地を訪れて広島の魅力を体感して欲しい。

◎参考情報

ルアン/NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町
https://www.nipponia-takehara.com/

広島みはらプリン
https://広島みはらプリン.jp/

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