ラファエルは“金欠YouTuber”に方針転換? YouTuberの羽振りのいい報告は減少するか
かつて“時給日本一のYouTuber”を自称していたラファエルが、金欠キャラに転身し話題を呼んでいる。
2014年に仮面を被った「仮面YouTuber」としてデビューしたラファエルは、動画の中で数千万円の高級車を何台も購入したり、スタッフ用の住まいとして高級マンションをいくつも契約したりと、羽振りの良さを全面に押し出すキャラクターで人気を博してきた。しかし、生き馬の目を抜くYouTuber界。芸能人のYouTube参入、“新世代YouTuber”と呼ばれる若手の台頭、さらに、ZOZO創業者の前澤友作氏やエイベックスの松浦勝人会長といった明らかな上位互換の資産家がYouTubeチャンネルを開設したこと、本人のモチベーション低下など様々な要因が複合的に絡み合い、YouTubeにおけるラファエルの存在感は希薄に。全盛期は100万再生を優に超えていたひと動画あたりの再生回数も、最近では10万再生に達しないことも珍しくなくなっていた。
低迷が続くラファエルの転機となったのが、22年11月30日にYouTubeチャンネル「令和の虎CHANNEL」で公開された動画への出演だ。本動画でラファエルは、「広告収益は10分の1に落ちています。ほとんどのYouTuberがそうだと思います」と明かしたのだ。この“仮面の告白”は大きな反響を呼び、ぷろたんやシバター、PDS株式会社、マスオなど、古参YouTuberが相次いで同様に収入の減少を訴えた。子どものなりたい職業上位常連のYouTuberだが、ビジネスとして稼げなくなっているのではないか――。そんな議論がネットを中心に盛んにされるようにもなった。
こうした世間の反応をビジネスチャンスと捉えたのか、ラファエルは金欠路線にシフトチェンジ。2月22日に公開した動画では、家賃140万円の都内の物件から、月40万円の千葉の物件に引っ越したことを報告。また、2月26日に公開した動画では、スタッフの給料や動画の企画費を捻出するために、盟友のYouTuberヒカルから年利30%で1億円を借りたことを伝えている。以前のバブリーな芸風からは考えられない路線変更だ。
この2つの動画は前者が21万回再生で、後者が44万回再生とまずまずの数字を残した。それ以上に、ラファエルにとっては、これらの動画が多数のWeb媒体によりネットニュースとして記事化されたことのほうが大きいのかもしれない。というのも、ラファエルは企業案件で稼ぐタイプのYouTuber。20年5月放送の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』に出演した際、企業案件のギャラが「最低500万円」と告白している通り、企業の製品・サービスのPRと引き換えに高額なギャランティーを得ることに重きを置いている。好条件の案件獲得には、当然知名度がカギとなる。そのため、定期的にネットニュースに取り上げられて存在をアピールすることは、彼にとって非常に重要な意味を持つのだ。
ほとんどのYouTuberに不可避に訪れる“オワコン化”。その落ち目であることを一時代を築いたYouTuberが受け入れ、さらには、振り切って金銭的に困窮していることを企画のネタにするのは、本当か嘘かはさておき、多くの人の関心を引くのは確かだろう。ラファエルの金欠路線を続けた結果、仮にYouTubeの再生数をV字回復するようなことがあれば、数多くの落日のYouTuberたちもこの路線を踏襲するに違いない。