YouTubeと育児の両立問題が話題 まあたその密着動画から“ママYouTuber”の活動を考える

 1月下旬、YouTuber・まあたその1日に密着した動画が急上昇入り。チャンネル登録者数210万を誇る人気者でありながら、育児にも励むまあたその姿が反響を集めている。今回はまあたその密着動画から、ママYouTuberの活動を考えてみたい。

 「岡山が生んだ奇跡の不細工」というキャッチフレーズのもと、メイク動画で大人気のYouTuberまあたそは、27歳でありながら現在小学1年生の息子を育てるシングルマザーという一面をもつ。撮影やイベント出演など仕事で東京や地方を飛び回るまあたそが今回YouTubeに投稿したのは、岡山県にある自宅で過ごす、とある平日の様子を収めた動画だ。

【1日密着】理想に現実が追いつかない!!27歳、小学生ママまあたその平日はこんな感じじゃけど大丈夫かしら、、【クッキング】

 この日まあたそは朝6時半に起床、朝ご飯を作り、一人息子を学校に送り出したという。子どもが学校に行っている間は、植木の水やりやアニメ鑑賞。正午を過ぎると、早くも夕食の用意を開始した。料理上手のまあたそは手際よく煮物を作り、その後は納豆に白いご飯、夕飯用に作った大根と豚バラの煮込みで昼ごはんを済ます。「もっとおしゃれなものを食べたかったりもするんじゃけど」という発言の次に出てきたのは、「健康第一、コスパ第一」という子どもを育てる親そのものの言葉。「昼間っからママ友とおしゃれなカフェなんて行ったことない」と話しており、派手な生活をしていないことも読み取れる。

 その後は1時間ほど動画の編集作業をこなし、愛息が帰宅するとそのまま習い事に付き添い。帰宅後は夕食の準備をし、愛息と食卓を囲んでいる。この日のメニューは、昼間に作った煮物のほかにおかずや副菜3品と、白米に味噌汁。食後は息子の宿題を終わらせ、親子で遊ぶ時間も設けている。この日は“YouTuberごっこ”を親子で楽しみ、入浴、洗濯、洗い物を済ませ、1日が終了した。この動画で特にコメントが集中したのは、まあたそと愛息が同じ目線で遊んでいるシーン。使用した喋るぬいぐるみの破壊力も相まって、まあたその企画力と親子の良い関係性に注目が集まった。

 今回の動画には登場しなかったが、まあたそは実母の協力もあり、YouTube活動と子育てを両立している。まあたそが撮影などの仕事で家を開ける時は、まあたその実母が愛息の面倒を見ているのだ。しかし、スカイピースやかすと共に結成している「青春しゅわしゅわクラブ(通称:青ラブ)」の活動などもあり、先月の投稿数はメインチャンネルとサブチャンネル合わせても4本ほど。そんなに頻繁には投稿できていないのがわかる。

 YouTubeと育児の両立については、昨年10月に一般男性と結婚したパパラピーズ・タナカガが「両立は無理」と発言し、関心を集めている。タナカガは先月に投稿したYouTuberエミリンとのコラボ動画の中で、今後について「普通に子供欲しいなとか思うけど、こっちに親おらんし、手助けしてくれる人もおらんし、無理やなって思う。仕事やめたくないし……葛藤もあるよね」と、両立の難しさに気を落としている。パパラピーズは事務所に所属し、マネージャーもついている。しかしタナカガによると、「マネジャーさんいるけど撮影は自分たちだけだから。企画考えるのも、編集も一人だし」と、日々の動画制作は相方のじんじんとタナカガのふたりで行っているという。

子供できたらYouTubeどうする? (エミリン)

 YouTuberはスケジュールの融通が利きやすいという職業ではあるものの、投稿頻度や企画の良し悪しで登録者数や再生回数が大きく左右する。そのような中でYouTuberたちがママになっても一定の活動を続けるには、まあたそのように家族の協力やグループメンバー、事務所などの理解とサポートが必須になってくる。自由なイメージの強いYouTuberといっても、社会で活躍するワーママたちと何ら変わらないのだ。クリエイター事務所の役割は企業案件のやり取りといった窓口業務や問題が起こった際の対処、クリエイターの育成サポートなど幅広いため、動画を制作する過程で実際に手を動かしてくれる事務所スタッフは少ないだろう。まあたそ同様、コラボ動画への出演やメディアへの出演もあるパパラピーズの場合、タナカガのいう通りこのままの環境ではYouTubeと子育ての両立が難しいことは想像に易い。

 1月30日には新世代の3人組YouTuberグループ・くれいじーまぐねっと・UraNが動画を通して結婚と妊娠を発表したばかり。ママになっても活動は継続すると述べており、まあたそやUraNのように、YouTube活動と育児を両立していく動画クリエイターは増えていくと考えられる。まあたそのようにYouTubeと育児を両立させるためには、適度な投稿数の中でもインパクトの強いシーンをいかに作れるか、そういった企画力が大事なのかもしれない。

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