「レゴブロックのように完成物をシェアしたくなる」 Notion日本第一号社員・西 勝清が語る“拡散されるユーザー体験”
自分なりの使い方をできたユーザーが熱狂的なファンに
――海外と日本では使用するユーザーの属性は異なるのでしょうか?
西:海外でも日本でも、エンジニア、プロダクトマネージャー、デザイナーの3職種の方々に多くご利用いただいています。また、大学生の方も多くて学校の授業でノートを取るためや、時間割の管理など色々な使い方をしていただいているようです。
――こうした利用状況を見ていると、今後toBのプロダクトではなくtoCとしても広がりが見えてくるのかなと感じます。
西:Notionの面白いところは、家族で使ったり学生の方が使ったり、個人が情報共有に使うというシーンもありながら、スタートアップから大企業まで社内の情報共有や情報管理ツールとして使っていただいているというところです。両者が同じツールを使っているというのはとても珍しいのではないかなと思っています。
――競合のプロジェクト管理ツールや、タスク管理ツールではここまで熱狂的に盛り上がっている事例は少ないですよね。なぜNotionには、ここまで夢中になるユーザーがいるのでしょうか?
西:Notionの根幹には、「Making software toolmaking ubiquitous.」というミッションがあります。コーディングの知識がなくても誰もが自由自在にソフトウェアを組み立てることができれば、世界はより多くを実現できるというのが私たちの想いです。Notionはブロック構造になっており、そのブロックを組み立てて、自分がやりたいことを実現するツールです。
つまり、ある人にとってはNotionが「授業のノート」であるし、ある人にとっては「授業の管理ツール」でもある。そこで自分なりの使い方ができたときには、出来上がったものを人に共有したいという気持ちが芽生えてくる。この「シェアしたい」という気持ちが盛り上がりに繋がっているのかなと思っています。
――コミュニティやファンのNotionに対する取り組みで今後、増えたら嬉しいと思うことはありますか。
西:これまで通り、「もっとこういうことができたら良いな」とNotionを自由に活用し、ぜひテンプレートを共有していただきたいですね。Notionには「テンプレートギャラリー」というコンテンツがあり、Notionが公開している基本的なものだけではなく、ユーザーがオリジナルテンプレートを作成して公開したり、公開されたオリジナルテンプレートを複製したりして自身のNotionアカウントで活用することができます。たとえば議事録やタスクのデータベースなどを作り、それをテンプレートとして共有していただく。それを活用することで生産性が向上する人もたくさんいると思うので、どんどんテンプレートを共有していただけたら嬉しいです。
日本のユーザーのワークスペースに海外のユーザーが驚くことも
――日本のNotionユーザーと海外のユーザーとで使い方の違いは感じますか?
西:日本のユーザーのワークスペースは、セットアップが非常に細かく整理されており、海外のユーザーも驚いているという声を聞きます。情報をきちんと整理してオーガナイズされた状態にしておくのが日本のユーザーは好きなのかもしれません。これは社内の会話の中でもよく話題に上がりますね。もう一つはページ公開の機能です。自分の紹介ページや会社のホームページなどのWEBページ公開は、もちろん海外でもないわけではありませんが、日本では特に好まれているように感じます。
――日本のユーザーならではの使い方がこれから広がっていくのかなと期待しています。
西:テンプレートギャラリーで活用方法を共有していただき、そのテンプレートが世界に広がっていけば、それは個人でもチームでも非常に面白いと思いますね。
――今後、日本のユーザーを増やすためにどうアプローチを広げていこうと考えていますか。
西:Notionの使い方がもう少しわかりやすいと良いという声もフィードバックとしてあるので、それに応えるためテンプレートを充実させたり、Notionをステップバイステップで学ぶためのコンテンツを充実させたり、もしくはプロダクトに今より多く使い方のガイドが出てくるというような形にして、より親しみやすいツールにできればと考えています。コミュニティの皆さまの声をもとに作っていけたらいいなと思っています。