「国内トップトレンド動画」から振り返る2022年のYouTube YouTubeがエンタメ界全体の流れをけん引?
第7位には、元プロレスラーで元国会議員という経歴をもつアントニオ猪木さんの「アントニオ猪木『最期の言葉』」がランクイン。難病・全身性アミロイドーシスを患い、闘病生活を送っていた猪木さんは今年10月1日に帰らぬ人に。そのわずか10日前に撮影されたこの動画には、自力では起き上がれず、発する言葉は聞き取るのが難しいほど衰弱している猪木さんの姿が写されていた。生前最後の動画となってしまったが、これまで「元気があればなんでもできる」という言葉で人々を勇気付けてきた猪木さんには、多くの感謝のコメントが寄せられた。
第8位は、お笑い芸人のなかやまきんに君が運営するチャンネル「ザ・きんにくTV」に投稿された「【優勝】It’s My Lifeでアメリカが揺れました。マスターズ40歳以上のクラスで優勝しました。【マッスルビーチインターナショナルクラシック2022】」。きんに君はこの動画で急上昇ランキング1位を獲得すると、7月4週目には東京クラス別ボディビル選手権大会の出場に密着した動画がまたしても急上昇入り。もちギャグ「ヤー!パワー!」が「Z世代トレンドアワード2022」の「年間トレンド」で大賞に輝いたきんに君が、YouTubeでも大活躍の1年だった。
9位にランクインしたのは、「TOHO animationチャンネル」の「『SPY×FAMILY』オープニング主題歌アニメ映像」。『少年ジャンプ+』で連載中の大人気作品『SPY×FAMILY』のTVアニメが4月から放送を開始。その直後にOfficial髭男dismが歌うオープニング主題歌「ミックスナッツ」を使用したアニメ映像がYouTubeで公開されると、大きな反響が集まった。
10位には、東海オンエアの「【大型アップデート】第4回!寝たら”即帰宅”の旅!Part1」がランクイン。毎年恒例の大人気企画「即帰宅の旅」に、今年はスカイピース、まあたそ、かすによるグループ「青春しゅわしゅわクラブ(通称:青ラブ)」も加わり、パワーアップ。かすが旅の後半まで奮闘するも、これまで2回勝ち抜けたりょうが今年もただひとり完走した。この東海オンエアと新世代のルーキーたちによる共演は大きな話題となり、いつも以上に盛り上がりを見せた。
2022年は、一世を風靡した人気YouTuberたちが解散や無期限活動休止を発表するなど、世代交代が進んだ年だった。その一方で、トップトレンド動画ランキングにはベテランから新世代までが幅広く登場。ベテラン勢と新世代が切磋琢磨したコラボ動画が話題を呼んだ1年だった。また、テレビとは勝手が違うYouTubeで苦戦する芸能人が多いなか、杏となかやまきんに君が大健闘。ふたりはそれぞれの魅力を発揮できるジャンル選びが功を奏し、ランクインしたと考えられる。『チェンソーマン』と『SPY×FAMILY』においては、今年アニメ化された国内外でも大人気の作品とあって、注目の的に。今年の国内トップトレンド動画ランキングは、YouTubeだけでなくエンタメ界全体の流れを色濃く反映したものになったようだ。
ヒカキン、はじめしゃちょー、東海オンエア、新世代が大集結! 『YouTube Fanfest Japan 2022』を振り返る
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