『FFXIV』の音楽をより“チルく”日常的に 20の名曲をさらに拡張した、8名のアーティストたち

『FFXIV』楽曲を“チルく”日常的に

 全世界の累計登録アカウント数が2700万※を突破した人気オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)では、FFXIVのサウンドディレクター祖堅正慶氏による壮大かつ熱い楽曲で、プレイヤー=光の戦士たちの冒険を彩ってきた。

※日本・北米・欧州・中国・韓国の5リージョンの累計アカウント数。フリートライアル版のアカウントを含む。

 ストリングスやピアノなどの生楽器と女性ボーカルを多用した、壮大でシンフォニックなサウンド。一方、激しいバトルシーンでは、荒々しいロックサウンドが鳴り響く。自由で国境や民族を越える楽曲は、祖堅正慶氏が自ら率いる公式バンドTHE PRIMALSによるバンドアレンジでも知られ、世界中で演奏されてきた。

 そんな楽曲が、世界的に活躍する日本の人気アーティストの手でアレンジされたアルバム『Sanctuary’s Heart: FINAL FANTASY XIV Chill Arrangement Album』に収録のうえ、発売される。テーマは“Chill”アレンジ。8名のアーティストによる全20曲が、『FFXIV』の音楽をさらに“拡張”する。

Sanctuary’s Heart: FINAL FANTASY XIV Chill Arrangement Album – PV

 “Chill”とは、高揚した心身をリラックスさせたり、興奮状態から気持ちを落ち着かせるなどの行為を指す時に使われる言葉。クラブで踊った朝帰りに日常に戻っていく時など、クールダウンしていく状態で使われることが多い。また、近年ブームのサウナで言うところの、“ととのう”という言葉に少し近いかもしれない。

 深夜に『FFXIV』をプレイし、仲間と協力して敵を打ち倒した後、「じゃあまた明日、何時ね」と言って別れ、我に返り一息つくあの瞬間。急に一人になってポツンとした、しかし興奮冷めやらぬといった、あのなんともいえぬ状態。『FFXIV』の余韻に浸りながら、また少しずつ日常に戻っていくとき。そんな時にぜひ聴きたいアルバムかもしれない。

 本作では、『新生エオルゼア』『蒼天のイシュガルド』『紅蓮のリベレーター』『漆黒のヴィランズ』『暁月のフィナーレ』から20曲を厳選。MURO、DJ UPPERCUT、VaVa、doooo、grooveman Spot、JJJ、starRo、DJ Mitsu the Beatsといった国内屈指のアーティスト8名が編曲を手がけ、『FFXIV』の世界をよりリアルで日常のさまざまな場面に寄り添う形に生まれ変わらせた。

 海外アーティストともコラボを繰り広げるなど、1990年代の日本のヒップホップ黎明期からその名を馳せるMUROは、シンフォニックな「静穏の森」を、ループとビートでリアレンジ。生楽器の世界観に、打ち込みの音を絶妙に融合させた。

MURO

 また、ラストに収録された「忘却の彼方 〜蛮神シヴァ討滅戦〜」は聴き手の意表を突く。エレキギターが鳴り響くロックの原曲を、ウッドベースとピアノをメインにしたジャジーなトラックにリメイク。原曲の影も形も無いものの、よく聴くとリフレインするコードや、ギターソロのフレーズが聴こえてくる。今作のテーマである“Chill”を体現したアレンジは一聴の価値がある。

 自身の作品リリースと並行して膨大な量のプロデュース・ワークをこなし、 さまざまなアーティストの作曲、国内外のアート作品/映像作品を手掛けているDJ UPPRECUT。壮大で過酷な様子が描かれた「彩られし山麓 〜高地ドラヴァニア:昼〜」は、重たいビートと多彩な展開が秀逸。「女神 〜女神ソフィア討滅戦〜」は、神秘的なコーラスはそのままに、スリリングなサウンドをピコピコとしたサウンドで表現、不敵な笑い声も加わり怪しさを倍増させた。

DJ UPPERCUT

 アニメ『オッドタクシー』の劇伴を、PUNPEE、OMSBと共に担当したほか、多くのヒップホップ・アーティストや木村カエラやAIなどのリミックスも手がける【VaVa】。ピアノをメインに構成された「冥き水底 〜テンペスト:深部〜」を、スクラッチ音や浮遊感のあるシンセ、コーラスなどの音で再編。「迷宮 〜ラヴィリンソス:昼〜」や「終の戦」では、ゼンマイのネジの音やファスナーの音など、多彩なサンプリングでも楽しませてくれる。どうやって録ったのか、何の音が使われているのか、想像するのも楽しいトラックになった。

VaVa

 dooooはクリエイター集団CreativeDrugStoreの所属で、人肉MPCを使用したアルバムジャケットなどで“奇才”と呼ばれるビートメイカー。「紅の夜明け 〜クガネ:昼〜」は、大陸的で雄大な雰囲気はそのままに、よりビートが強調された。また、北欧の音楽のように壮大なコーラスワークや女性ボーカルが印象的な「Tomorrow and Tomorrow」は、dooooの手によってエイトビートの効いたポップス調に変身。さらに「古の星空 〜エルピス:夜〜」では、美しいピアノのメロディはそのままに、深みのあるビートが印象的に響く。

doooo

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