植松伸夫の登場に『FF14』光の戦士たちも歓喜 THE PRIMALSがゲームの世界とリアルを音楽で繋いだ日

『FF14』THE PRIMALSワンマンレポ

 オンラインゲーム『FINAL FANTASY XIV』(以下、『FF14』)の公式バンド・THE PRIMALSが6月4日、5日、千葉・幕張メッセイベントホールでライブ『THE PRIMALS Live in Japan - Beyond the Shadow』を開催した。本稿では5日公演の模様をお届けしたい。

 冒頭、同作に登場する人気キャラクター「エメトセルク」を演じる高橋広樹が注意事項を読み上げる。「この私を引き留めたのだ。最高のライブなのだろうな? まあ、いいだろう開演だ!」。ライブが始まる前から『FF14』の世界が広がり、集まった光の戦士(『FF14』ファンの総称)たちの胸を熱くさせた。

 「ENDWALKER」「輝ける蒼 ~希望の園エデン:覚醒編~」「究極幻想」と、冒頭から熱いロックサウンドを会場に響かせたTHE PRIMALS。ソリッドなギター、ヘヴィなビートが高揚感をかきたてる。バックに映し出される実際のゲーム映像もあいまって、ゲームをプレイした時の興奮や感動がよみがえる。耳、目だけでなく、ペンライトに持つ手さえも音に反応。THE PRIMALSのライブは、五感を刺激する。

 「声が出せない代わりに、手を上げたりペンライトを振ったり、それぞれがモラルを持って楽しんで欲しい」と、ギター&ボーカルの祖堅正慶。THE PRIMALSは、『FF14』シリーズのサウンドディレクターを務める、祖堅正慶を中心に2014年に結成された公式バンド。『FF14』の音楽をバンドアレンジした楽曲でリリースやライブなどを行い、海外で開催されたファンフェスに招聘されるなどワールドワイドに活動。この日のステージは、声が出せないなどの規制はあったが、久しぶりの対面ライブに祖堅を始めとしたバンドメンバー、観客、その場にいた全員がうれしさを滲ませながら、『FF14』の世界と迫力あるバンドサウンドに酔いしれた。

 この日は「光の戦士たちにひとことお願いします」と、客席にいたプロデューサーの吉田直樹を見つけ、いきなりのムチャブリをする無邪気な祖堅。吉田も「台本にないことやるなよ!」と返しながらも、「本日はご来場ありがとうございます。最後までお楽しみください!」と感謝のコメント。マイクなしの声が幕張メッセに響くと、祖堅は「バトルコンテンツ班はあの大声で怒鳴られているんだから、たまったもんじゃないよな」とジョークを交えながら大笑いした。

 「懐かしい曲をやろうと思います」と話したあと、「メタル ~機工城アレキサンダー:起動編~」、「忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~」を立て続けに演奏。「メタル」はその名の通りゴリッとした骨太なサウンドが腹にズシッと響く。「忘却」はギターのGUNNがボーカルを務め、原曲とはひと味違った、男の哀愁漂うエモさで会場を沸かせた。

 また「次の“拡張パック”は『漆黒のヴィランズ』から」と、『FF14』ワードで楽曲を紹介し、女性ボーカル曲の「目覚めの御使い ~ティターニア討滅戦~」と「女神 〜女神ソフィア討滅戦〜」を男性ボーカルバージョンで披露。こうしたアレンジができるのも、実際に作っている“中の人”であればこそ。男性が歌うのが大変な女性キーの曲を歌うというプレッシャーからか、「目覚めの御使い」は入り方を間違えて最初からやり直すという場面も。そうしたハプニングも込みで、楽しんでほしいというのがTHE PRIMALS流。観客もその音楽を空気感と共に楽しんだ。

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