自転車を漕ぐことで対戦できる、フィジカルなeスポーツ『KINIX』とは 実際に体験してみた

フィジカルeスポーツ『KINIX』を体験してみた。

 2022年8月24日、ゲームメーカーであるKINIX株式会社が新たなゲームプラットフォーム『KINIX』を立ち上げた。こちらはプラットフォーム上のオンラインゲームをプレイすることで、誰もが楽しみながら真剣に汗をかくことができるようになるというものだ。

 『KINIX』は、フィットネスマシンがゲーム機になる実質現実空間である。立ち上げのKINIX株式会社は、eスポーツとスポーツの融合を試みる研究集団であり、慶應義塾大学大学院にて人間拡張工学を研究し、同大学院にてメディアデザインの博士を取得した研究者らにより構成されている。本研究チームは、アクティブな日々を目指したいけれど、シャワーを浴びるとき以外はコントローラー・スマートフォンを手放したくない。そんな人々へ向け、新たな選択肢の提案として、“ワークアウト”を再設計したのだという。

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 『KINIX』は、スマートバイクトレーナーを使用しパーティスタイルで、最大6人が同時にリアルタイムで対戦できるゲームだ。今回はこちらを体験した。

 ケイデンス(自転車のペダルを回す速さ)、パワー、スピード、距離、ステアリング(ハンドル操作)など、フィットネス機器がすでに持っているデータが活用され、ゲーム内の
キャラクターモーションなどに反映される。

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 各ゲーム空間にはそれぞれテーマが設定されており、プレイヤーは次から次へと、まったく異なる世界を旅することとなる。

・planetaryfortress
 雪山での戦車バトル。

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 ペダルを漕ぐと戦車が進むとともに、攻撃のパワーがチャージされる。ステージ中央には戦闘の助けになるアイテムが現れる。標準装備にバリア機能がないため、ここでのアイテムの獲得が重要だろう。攻撃のチャージにはさほど苦労しないため、このステージでは敵に照準を合わせるハンドルさばきのスキルが求められていると感じた。

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・KingofDisco
 80年代のクラブでのディスコダンスバトル。

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 正方形のステージの中で自分の進んだ道に色が塗られ、その色の面積で競う陣取りゲームのイメージだ。移動中、キャラクターは常に踊っている。足踏みしている様子はないが、前に平行移動していくような動きがシュールで面白かった。ここでもランダムに出現するアイテムが勝利のカギに感じた。

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・TugofWatt
 錆びたバイクショップでのバイクの綱引きバトル。

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 こちらは2対2で唯一のチーム戦。ハンドル操作は関係なく、ワット数での勝負。ひたすら漕げばいいのかと思いきや、そんなこともない。試行錯誤した結果、ギアを重めに設定するとゲームに勝つことができた。制限時間があるのでがむしゃらになりすぎず、得点数や体力セーブをしつつ効率を考えてプレイすると良いだろう。

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・Tokyo dash

 ただひたすらにまっすぐ東京の道を走り抜けるレーシングバトル。

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 このステージに一番体力を奪われた。街中の障害物に少しでも触れると爆発し、タイムロスになる。思ったよりスピードが出ず、ゆったり進む自分のキャラクターに心折れそうになる。だが制限時間というゴールがあるので安心した。ハンドル操作と体力が大事だ。

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 以上4ゲームが1セットだが、想像よりもしっかりとしたエクササイズになった。空調の効いた室内で体験したがそれでも汗をかくほど。また自転車をこぐ、という点では普通のサイクリングと同じだが、ゲーム要素があることと、運動強度に緩急があるため、普通に街中で自転車に乗るよりも夢中になっていた。ゲームを終えた時に疲労を感じたが、同時に今のゲームははこうしたから勝てた、次はこうしよう。といったように次回に向けてのやる気や作戦を考えていた。合計3セットを行ったが、4種類のステージはランダムにでてくるようになっていた。その順番によっても、バランスを考えたプレイが必要となるだろう。

 またキャラクタースキンも豊富に用意されていた。ゲームを進めていく中で貯まったポイントからアイテムがゲットできる。

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 初期スタイルよりも自分好みにカスタマイズをした方がモチベーションにもつながり、楽しくワークアウトを継続できるだろう。

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 「ワークアウト」「トレーニング」と意気込んで頑張ろうとすると、はじめは良くてもなかなか継続するのは難しかったりする。外に出るのがおっくうになることもあるだろう。しかし、「ゲーム」をするとなれば容易に体が動くのではないだろうか。競い合ったり、ポイントを稼ぐことで無理なく自然と習慣化につながり、これからの新しい家での過ごし方になっていくのではないだろうか。

Kinix公式HP:https://www.kinix.jp
Kinix公式Instagram:@kinix.jp

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