宇宙弁を使いこなす「にじさんじのマイクラ女王」桜凛月の魅力
にじさんじ内の企画に積極的に参加する傍らで、彼女自身も企画を立ち上げてにじさんじメンバーらを巻き込んで開催することもある。先にも挙げたように『Minecraft』を使用した企画はファンにとっても有名であろう。
これまでの名シーンを生んだ2019・2020年の「夏祭り」企画を主導し、10月23日に開催された「にじさんじ大運動会」などその他多くの企画にも協力するなど、こうしてみれば「にじさんじ」全体が絡む企画への協力を惜しまないのが桜凛月という女性なのだ。
それまで『PUBG』『スプラトゥーン』を中心にゲーム配信をしていた彼女が、『Minecraft』をプレイするようになったのは2019年1月4日、同期の黒井しばとのコラボ配信がきっかけとなった。まったくプレイしたことのなかった同ゲームをプレイする姿は、いまからすればとても初々しい。
この時はまさか、『Minecraft』が彼女の活動を大きくを支えることになるとは、ファンはおろか本人も考えていなかったであろう。にじさんじの『Minecraft』サーバーに配信内外で何度となくインしているのが他メンバーの配信でも確認でき、底なしのやり込み要素に彼女が深く魅了されていくことになる。
始めてから半年と経たずに、多数の建築物やアイテム収穫用のトラップタワーを制作。にじさんじファンのなかには長い通路を渡ってエンドワールドへと渡った先にある「エンダーマントラップ」を見たことがある方も多いだろうが、これは彼女が2019年7月~9月頃に着工・完成させ、現在までに近い形にまで仕上げた施設だ。
その後、『Minecraft』を初プレイするにじさんじメンバーがいれば、彼女が見守り役となってコラボ配信をしたり、大人数で大型建築をする際には彼女が資材をある程度用意してしまうなど、「円滑にプレイできるように」「誰かがトラブルを起こしたときに」と様々な物資を提供する姿が散見される。
こういった姿を通して、いつしかにじさんじのファンの中で、彼女のイメージは「にじさんじのマイクラ女王」「頼れるカワイイ先輩」といった人物像が描かれていった。
自身の拠点はかなり奥まったところにあり、りつきん城などを含む多岐な建築物を制作してきた。
そのなかでも名所と謳われるのが博物館であろう。2020年9月2日、自身の拠点近くで開催されたにじさんじ夏祭りの主催・準備・実施が終わって間もないころに始まったこの企画は、『Minecraft』内にあるブロック・装備・アイテム・動物などをすべて収集して展示しようという内容であり、その量はあまりにも膨大、かなり長い期間をかけて収集していくことになった。
約1年経過した2021年9月14日に完成宣言されたものの、追加要素として新たなアイテムがアップデートされるたびに収集しているので、「完成することのない不夜城」ともいうべき名所であろう。
2022年に入り、にじさんじIDとKRがにじさんじに合併し、にじさんじENが海外で盛り上がりを見せてきたことも相まって、海外籍であったメンバーとも一気に交流が増えた。
初めてに近い国際交流にあって『Minecraft』が与える影響は見過ごせない。ゲームが不得手なタレントも在籍していることや、初対面として出会って共同作業をするゲームとして、大人数が一気にログインして活動するのに同作品がベターということもあり、多くの国際コラボが実現してきた。
2022年6月7日には「2023年夏祭り企画」の開催を発表した。1年をかけてさまざまな企画を主催していくことをあきらかにし、サポートメンバーとして後輩であり英語力のある長尾景、元にじさんじIDのナラ・ハラマウン、元にじさんじKRのセフィナによる“めにまにカンパニー”とともにスタート。
各国のライバーのサポート(コラボ配信)とともに、2022年10月23日には最初の企画として『にじさんじ大運動会2022』を開催した。間違いなく今後1年に渡って目玉となるだろう。
これまで重ねてきた『Minecraft』配信はなんと570回を超え、年内には600回を超えてしまうかもしれないところまで来ている。にじさんじの『Minecraft』企画、その輪のなかには桜凛月の姿がある。