『にじさんじユニット歌謡祭』の功労者 竜胆尊が多くのファンとライバーに愛される理由

竜胆尊が愛される理由

 現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。

 メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ1年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加している。

 デビューから順を追うように紹介してきた本連載。元1期生、元2期生、元ゲーマーズ組の次は2期にわたる元SEEDs組。SEEDs2期生は複数回に渡ってデビューが分かれているなかで、ここ数週は第1弾として発表された面々を中心に取り上げてきた。

 SEEDs組2期生は3度にわたってデビューしており、その都度人数も違えば、個性も全く違うメンバーが次々とデビューしていた時期だ。現在ではこの時期を指して「いろいろデビューしていた時期だよね」という振り返る声もある。

 翌年2019年から1年間にわたって続々とデビューしていったにじさんじのタレント群にも目を見張るが、わずか2か月足らずにSEEDs組と称して30人近いメンバーをデビューさせたのも、またとんでもないことだったのだ。

 そんなSEEDs組2期生の第2弾組として、ここでは竜胆尊について書いていこうと思う。

【MV】常夜鬼譚/竜胆尊【オリジナル曲】

 2022年10月16日にフレン・E・ルスタリオと不破湊の2名の呼びかけで開催された『にじさんじスプラ祭り』は、任天堂の誇る名作『スプラトゥーン』を使った超大規模なカジュアル大会として開催された。

 にじさんじと『スプラトゥーン』との関わりはかなり深い。これまで3回にわたって開催された大会も、名前を少しずつ変えながら今回で4回目を迎えることになった。

 ここにさらに加えて、韓国やインドネシアのメンバーが日本の「にじさんじ」に統合・加入したことや、にじさんじENのメンバーが積極的に関わるようになったことも影響し、96名ものメンバーが参加した。これまで最多であった72名から24名も増加し、史上最大規模といって差し支えないだろう。

 そんな名物企画に、今回初めて参加する日本在住のライバーもいた。ましろ、鈴谷アキなどはにじさんじ内のカジュアル大会に滅多に出場しないメンバーであり、それだけでもリスナーの驚きを呼んでいたわけだが、この記事の主役である竜胆尊もまた、筆者としては意外な参加者だった。

【スプラトゥーン3 】#すももぐみWIN【 竜胆 尊 視点┆にじさんじ 】

 竜胆尊は2018年8月31日にTwitterにて初投稿、9月8日にYouTubeにて初配信していて以降、現在まで活動を続けてきた。線は細めながらも凛とした声色はセクシーで、デビューして以来、彼女のトレードマークになっている、といってもいいだろう。

 紫と白肌が目につく体格と着物姿、見た目は10歳代そこそこの幼さながら、鬼と人の間に生まれたというプロフィールもあって年齢は9900歳以上あり、落ち着いた物腰で会話を進めていく。自身を「わらわ」と呼び、語尾には「のじゃ」がつくなど、特徴的な言語感覚は、デビューから現在まで変わらない。

 基本的に落ち着いた物腰で友人らやリスナーに声をかけ、テンションが急上昇・急降下することもないが、時折少女のような笑顔満面をみせてウキウキと話し始めるなど、そのギャップに一瞬でコロっとなるリスナーはとても多い。

 月に5~6回ほどの配信は歌や雑談をメインとしており、配信ペースはにじさんじの同僚らに比べると頻繁ではない。だが幼さが残るビジュアルでありつつ、声色や物腰から大人びた魅力がにじみでる、そんな少女性・女性性をうまく押し出した「らしさ」でもって、これまで存在感を強く放っていたのが竜胆尊なのだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる