『CoDMWⅡ』先行レビュー 既存ファンも新規層も楽しめる「CoD」の真髄がここに

PC版『CoDMWⅡ』先行レビュー

 続いて、『MWII』のキャンペーンに対する率直な感想と評価点をお伝えしたい。本作は『MW』と同様に現代戦に着目し、ミッションを達成する過程で多様な場面に遭遇する。

 大規模な銃撃戦を筆頭に、襲撃や尋問といった生々しい場面、迫力あふれるカーチェイスに緊迫した潜入など、キャンペーン全編を通して毛色の異なるシチュエーションがプレイヤーを待ち受ける。そして、そのいずれもが計算された演出およびバランス調整により、「CoD」ファンの期待を裏切らない品質へ昇華されている。

 実際の手触りとして、大枠の部分では近年の「CoD」シリーズと大きな変更点はない。ミッション開始前に任務を把握し、フィールドに降り立った後はガイド役(同行者など)の指示や忠告に耳を傾け、戦況の変化に柔軟に対応していく。

 プレイアブルキャラクターはいずれも戦闘のスペシャリストだが、常人を超える特殊能力を習得しているわけではない。ゆえに無策で突っ込むとあっという間にダウンしてしまうため、攻撃タイミングをしっかりと見極める必要がある。またシーンに応じて武器を現地調達したりと、もっともベーシックな難易度(レギュラー)でも十分な歯ごたえを感じられた。

 くわえて、システム面で個人的に嬉しかったのは”テンポの良さ”。ミッションクリアごとに次のミッションがすぐに始まる仕様で、メニュー画面でのカーソル移動やボタン決定といった作業を挟むことなく、没入感を保ったまま物語と向き合える。

 逆にミッションをやり直したり中断したい時は、ポーズメニューからいつでも実行可能。ゲームへの没入感を損なうような問題点も見当たらず、コンフィグなどもスムーズに変更できたように思われる。

 全17種のミッションには、それぞれクリア報酬が存在。コーリングカードやエンブレムに加え、そこには限定オペレーターや武器などの別モードで使えるものが含まれる。こうした報酬はキャンペーンを最後までプレイするうえでのインセンティブとしてはたらくが、上述の通りシナリオ単体の誘引力(プレイヤーを引き込む物語の妙)も申し分ない。

 「CoD」シリーズは過去にキャンペーンを廃したナンバリングタイトルが発売されたものの、ユーザーの要望に応えた結果、『MW』から再びキャンペーンが実装され始めた。

 昨今のeスポーツ人気を見るに、FPSはマルチプレイヤーに注目が集まりがちだが、「CoD」にとってキャンペーンは無くてはならない存在であり、同時に本作を唯一無二の作品たらしめる真髄、と言うべきコンテンツではないだろうか。筆者は今回『MWII』のキャンペーンと向き合い、そのように感じた次第だ。

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