アラサー世代を夢中にさせた『ロックマンエグゼ』の魅力  『アドバンスドコレクション』発表を機に振り返る

改めて振り返る『ロックマンエグゼ』の魅力

 「プラグイン!! ロックマン.EXE、トランスミッション!」のフレーズでおなじみ、『バトルネットワーク ロックマンエグゼ』(以下、ロックマンエグゼ)が現在進行系で大きな注目を集めている。と言うのも、6月28日配信の「Nintendo Direct mini ソフトメーカーラインナップ」にて、「ロックマンエグゼ」(以下、エグゼ)シリーズ計10タイトルを収録した『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』が正式発表されたからだ。

1stトレーラー『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』

 同作は、バージョン違いを含む「エグゼ」シリーズのナンバリングタイトルを収録したコレクション作品。オリジナル版のゲーム本編をはじめ、グラフィックの高精細化やBGM&設定資料を鑑賞できるモード等が実装される(対人戦モードの搭載は不明)。「エグゼ」シリーズが丸ごと一挙に遊べるのは今回が初、しかも生誕21年目を迎えたこのタイミングで続報が入ったことにファンも驚いたのか、Twitter上の正式発表ツイートには約3万件近い反応が寄せられている(6月29日時点)。

 従来の「ロックマン」シリーズと一線を画し、電脳世界におけるネットワークバトルに焦点を当てた『ロックマンエグゼ』。本稿ではコレクション作品の発表を受け、第1作目を踏まえながら「エグゼ」シリーズの魅力を改めて振り返る。

ロボットから人格プログラムへ。何もかもが新しく生まれ変わった「ロックマン」

 『ロックマンエグゼ』は2001年3月21日、任天堂が送り出した携帯型ゲーム機「ゲームボーイアドバンス」のローンチタイトルとして市場に現れた。タイトル名の通り、同作はカプコンが手掛ける人気アクションゲーム『ロックマン』の流れを汲む作品ではあるものの、ストーリー・舞台・ゲームシステムといった根本的な部分を大々的に変更。ジャンルも従来のアクションゲームから”データアクションRPG”へと改められている。

 加えて、従来シリーズ(ロックマンやロックマンX)は人間によって生み出されたロボットが主役だった一方、『ロックマンエグゼ』は小学5年生の「光熱斗」がナンバリングタイトルを横断する主人公として迎えられている。この変化に伴い、工学的だったロックマンもネットワーク上に生きる疑似人格プログラム「ネットナビ」として新生。”電脳空間で悪事を働くネットナビ、およびネットワーク技術を悪用する犯罪結社の打倒を目指し、光熱斗とロックマンが手を取り合って立ち向かう”……といったストーリーラインが採用される運びとなった。

 2001年から2006年までの約5年間にわたり、計10作以上(スピンオフタイトルを含む)を展開した「エグゼ」シリーズ。その中にはバージョン違いをはじめ、『ロックマンエグゼ トランスミッション』(ゲームキューブ)のような従来作に近い横スクロールアクションゲームも存在する。「ロックマン」と言えば世代ごとに遊んだタイトルが比較的バラバラになりやすい(例:ロックマンXとファミコン版ロックマン等)シリーズだと考えられるが、メインユーザー層を小中学生だと仮定した場合、「エグゼ」シリーズは間違いなく”アラサー世代にとって最も馴染み深いロックマン”と言っても過言ではないだろう。

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