スマートグラス「Nreal Air」レビュー 普段遣いできるコンパクトなウェアラブルデバイス
先日ドコモより発売されたスマートグラス「Nreal Air」は、本体重量79g(付属品除く)という軽量さと、扱いやすいメガネ型デザインが共存したウェアラブルデバイスである。すでにドコモのオンラインショップでは品切れとなっており、発売と同時に全国のドコモショップで特設コーナーが設置されるなど、大きな注目を集めているデバイスだ。
本記事では、「Nreal Air」を実際に触りながら、その使い勝手などをレビューしていく。
まるでサングラスのようなコンパクトさ
こちらが「Nreal Air」本体。ご覧の通り、見た目はそのままサングラスである。そしてカタログスペックに違わずとても軽い。
レンズの内側には、斜めのレンズのようなパーツが設置されている。この内部に小型のディスプレイが存在し、そこから投影された映像を見るという構造となっている。
サングラスのツルの部分に、ヘッドホンと電源ボタン、透過度調整ボタンが設置されている。内蔵ヘッドホンの音質は比較的良好で、イヤホンのように耳にパーツなどが接触しない状態で音が入るため、聴こえ方はかなりナチュラルだ。ただし、装着者以外にも音は聞こえてしまう構造なので、周囲の状況には気をつけたいところ。
「Nreal Air」は単体では動作せず、対応するAndroid端末に接続する必要がある。「Nreal Air」本体には、左耳側のツルの先端にUSB Type-C端子を接続できる。
実際にAndroidスマートフォンと接続してみた様子。USBケーブルは「Nreal Air」に同梱されているので別個に用意する必要はない。もう少し長めのケーブルで接続したい場合は別だが、想定される運用シーンからするとこれでも十分だと思われる。
似たような構造のデバイスとして、筆者は「Dream Glass 4K」というARグラスをたまたま所持していたので、「Nreal Air」と並べてみた。大きさの違いは一目瞭然。展開時でも収納時でも、とにかく「Nreal Air」はコンパクトだ。まるで普通のサングラスのように、生活に溶け込めるサイズ感なのはセールスポイントだろう。
実際に装着してみても、この手のデバイスとしては段違いに軽く、日常生活中に用いても疲れない重さだと感じた。ただし、サングラスとしてみると若干重め。自分の場合、内側に設置されたディスプレイパーツ部分に、まぶたかまつげが接触しているのか、「目元がやや窮屈」という装着感をおぼえた。鼻パッドなどで調整できるし、次第に慣れるレベルだが、好みが分かれる装着感かもしれない。
標準的な使い方「Air Casting」モードを体験
今回の検証では、標準的な使い方となる、Androidの画面をミラーリングする「Air Casting」モードを体験した。
セットアップの流れは比較的スムーズだ。専用アプリ「Nubula」をインストールした後、Android端末と「Nreal Air」を接続したら、あとは案内に従って各種権限を許可していけば動作可能となる。
ミラーリングが始まると、「Nreal Air」がAndroid端末の拡張ディスプレイとして認識され、視界いっぱいにAndroidの画面が表示される。見え方はかなり精細で、高画質な大画面モニターと遜色ない映像が広がる。ためしにYouTubeで適当な動画を鑑賞してみたが、どんな場所に視線を向けても大画面で高画質な動画を観られるという、なかなかおもしろい体験ができた。静止画や文書、Webページの閲覧にも有用だろう。
表示される映像は、上述したツルの上に設置されたボタンから透過度を調整できる。ただし、前方の視界を確保できるほどの透過はできない。幸いにも足元は全く問題なく見えるため、自宅内を移動するくらいなら問題はないが、出先で移動中の場合は素直に映像をオフにするか、取り外すのが安全だろう。あくまで「サングラスのようなスマートグラス」であり、サングラスではない。
なお、「Air Casting」モードの表示は、周囲の物体・地形などに干渉してモニターが表示されるものではなく、例えば「ポケモンGO」的なARとは少し勝手が違うものである点は留意するべきだろう。どちらかといえば、ポータブルウェアラブル拡張モニターというのが正確だろうか。