社築がVTuber活動を通して体現する、“大人のオタク”のドラマティックな成長譚

社築が体現する“オタク”の成長譚

 YouTubeの動画をみるとき、自分にとって身近な存在や出来事から動画を探すということがあるだろう。料理、ペット、メイク、Vlogといったところから、ストリーマーのゲーム配信を見る人もいるし、音楽好きとしてはミュージックビデオをみるひともいるだろう。

 YouTuberやストリーマーを見る場合、日常的な存在ではなく、非日常的で特別なシーンや企画を求める視聴者も多いだろう。特にそれはゲーム動画やプレイ配信において顕著で、普段そばにいるような一般人な存在が、得意なジャンルでノビノビとプレイしているのは、見ている人も楽しませてくれるし、プロレベルのスキルを持つ配信者であれば、爽快感すら感じさせてくれるに違いない。

 VTuberというと、アニメルックな見た目からどことなく「この世に居ざるもの」として感じられるかもしれない。そんなVTuberのなかに、アニメ・マンガ・ゲームに精通する典型的なオタク男性という顔だけでなく、音ゲーのプロにもその腕を一目置かれるプレイスキルをもち、独り身特有の自炊力やお酒好きな一面もみせるなど、「どこにでもいそうで、どこにもいないような存在」という稀有な男性ヴァーチャルタレント。それが、にじさんじの社築である。

 「29歳男性IT企業の社員、プログラマーでそれなりに優秀。 本人は謙虚な性格、いつも疲れた喋り方。優しく流されやすい」という彼の公式プロフィール。音読みすれば「しゃちく」と読める、社会と会社に疲れたアラサー男性だ。典型的な「クールビズの会社員」ともいえよう見た目も相まって、非常に親近感を覚えてしまう。

10分ちょっとで分かる社築

 一人暮らしが10年を越えていることもあり、料理を披露したさいには他の配信者に褒められるほど。好きな料理はカレーで、自分のYouTubeチャンネルの全体コミュニティに自作レシピを掲載しているほどだ。

 一時期はほぼ毎日お酒を嗜んでいることもあってアルコールにはかなり強く、活動初期には飲酒配信をしていたが、長時間の雑談配信中に二連続で寝落ちするというハプニングを起こし、「#社起きろ」がTwitterのトレンドで瞬間的に世界ランキングに入るほど伝説の回となった。

 何度も同じ会話を繰り返したり、いつもよりも語気が強いながらも同じライバーをアツく褒めつづけるなど、彼の酔い方はあまりにも“ベタ”で面白い。社築自身はこのことを反省して、現在では表だって飲酒することはないが、持ち前のオタク知識を活かして(にじさんじの)同僚らともすぐに仲良くなり、相談事にも乗ることが多いなど信頼も厚い彼の姿には、親近感を覚えるのではないだろうか。

 そんな彼といえば、様々なゲームをやりこんできたことで培われたゲームスキルの高さにまずは注目が集まるだろう。プロツアーの予選にもエントリーしていたほどの実力をもっていた「マジック:ザ・ギャザリング」などのカードゲームのほかにも、アクションゲーム、FPS、ホラーゲーム、ファミリーゲームとジャンルに左右されることなく実力を発揮し、さらにはコンシューマーゲームだけでない、さまざまなゲーム作品についての知識も豊富だ。

 初見プレーと冠した配信でもゲームの仕組みをすぐさま理解し、攻略していこうと楽しんでいくプレイングや、豊富な経験則からゲームシステムを読もうと試みたり、知識を生かしつつゲームをドンドンと解説していくトーク力含め、テンポ良く進む彼の配信はファンを増やす一因にもなっているだろう。

 そんな彼の得意ゲームと言えば、音楽ゲームである。『Dance Dance Revolution』、『pop’n music』、最近ではスマートフォンゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』にも熱をあげているが、最も得意とするのは『beatmania IIDX』だ。

【EXHARD/RANDOM】画面隠して弐寺の高難易度曲やってみた【にじさんじ/社築/切り抜き/音ゲー】

 ゲージはLv12(最高難易度)でレベルEX-HARDに設定して高難易度曲をプレイ、並のプレイヤーならそれだけでもクリアが難しいところだが、社は雑談しながら、時にはYouTubeのコメント欄にも反応してツッコミを返しながらフルコンボでクリアすることもある。

 これに加えて、全国でもフルコンボ達成者が100人もいなかった楽曲を見事フルコンボ達成したり、久しぶりのプレイ配信中に譜面隠しプレイを試みて高難易度曲を次々とクリアするなど、リスナーの度肝を抜くプレイングには「一般プレイヤー」という言葉は不釣り合いだろう。

beatmania IIDX INFINITAS ワンデーランキング大会 スペシャル番組

 KONAMI公式プロプレーヤーとして活躍したDOLCE.を始め、複数のBEMANIプロプレイヤーからも注目され、2021年に開始予定であったBEMANI公式プロリーグのプレ大会「BEMANI PRO LEAGUE ZERO」では監督に任命されるなど、音ゲーを普及する担い手の1人として認められつつあるのだ。



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