ガーシーchもパロディの餌食に トレンドを“即”動画に反映する、芸人とYouTubeの理想的な関係

 お笑いコンビ・ニューヨークが、「東谷義和のガーシーch【芸能界の裏側】」(以下ガーシーch)のパロディ風暴露動画を公開した。

 ニューヨークが3月9日に自身のチャンネルで、「【暴露】吉本芸人のえげつない闇を全て晒す」と動画をアップ。動画内では同じお笑い芸人のバイク川崎バイク、先輩芸人のダイタクの裏話を暴露。「バイク川崎バイクが、実はバイクにあまり乗らない」「ダイタクはギャンブルにハマっている」と、内容自体はそこまで過激な内容ではない。

 今回ニューヨークがパロディを行ったのは、登録者数58万人(2022年3月時点)のガーシーch。YouTuberのヒカルによって、2021年12月に投稿した動画内で、実名で詐欺師として告発されたことにより、「27年間で築いてきたものをすべてを失った」という東谷は、自身の交友関係を活かし、芸能人の“裏”を次々と暴露している。いまYouTube上で存在感を放っているチャンネルだ。

 そんなYouTube上のトレンドにいち早く追随したニューヨーク。公開した動画の概要欄には、ガーシーchのリンクが貼られており、パクリではなく「コレに乗っかりたい」と堂々パロディとして投稿されている。

ピクトグダグダム

 このようにお笑い芸人がYouTubeを使って、最新のトレンドをいち早く取り入れたパロディ動画を投稿するケースは近年増えている。例えば、チョコレートプラネットが2021年7月26日に公開した「ピクトグダグダム」。東京五輪で話題となったピクトグラムを実写で再現するものの内容はグタグタといった内容で、オリンピック開会式から数日のうちに公開されたという即時性も含め大きな反響となり、現在271万回再生を記録している。

 このようにYouTubeに参入している芸人たちは、時事ネタやパロディを積極的に自分のチャンネルで発信している。反響も得られることから、YouTubeとパロディ動画はシナジーがあると睨んでいるようだ。

 加えて、YouTuberと芸人の“プロレス”のような動画の応酬も話題となった。先月、ヒカルが公開した動画内で、知人の紹介で会った“とある中堅芸人”に、「結局、YouTuberなんて芸能人の真似事の落ちこぼれ」などと、YouTuberを馬鹿にする発言をされ、怒りを見せたことから始まった「中堅芸人激怒騒動」は記憶に新しい。

【緊急企画】YouTuberヒカルさんを怒らせたのはコイツか‼【SUSHI★BOYSの企画#227】

 ヒカルが動画内で公開した「40歳くらい」「ダウンタウンとあまり共演しているところを見たことがない」「レギュラー番組はちょっとしかない」「面白くないがうまいことをいう」といった断片的な特徴をもとにネット上では犯人探しがスタート。その流れに、芸人サイドも反応し、トータルテンボスはいち早く「【緊急企画】YouTuberヒカルさんを怒らせたのはコイツか!!」と、犯人探しの動画をアップ。

今回のYouTuberヒカルさんの報道について東ブクロからご報告がございます

 さらに続いてアルコ&ピース・平子祐希やパンサーの向井慧もラジオ番組で、自身がその芸人かもしれない、と発言。ヒカルが動画内で発信した「中堅芸人の特徴」と一致していることを告げ、流れにノる形でトークの題材に昇華した。極めつけは、さらば青春の光・東ブクロも謝罪動画を公開。まったく関与がないものの話題に上手く乗っかり、謝罪動画の再生回数はなんと492万回と最高の数字を記録したうえ、後日ヒカルが公開した騒動の収束を告げる動画でも名指しで取り上げられ「さらばさん、コラボしましょう」とオファーがかかるなど、思わぬ発展を見せた。

 普段テレビやラジオなどメディアで活躍するお笑い芸人が、“自らのメディア”であるYouTubeチャンネルを開設することで、トレンドに対し即時反応する新しいお笑いの形が生み出されつつある。今回のニューヨークのパロディ動画を機に、今後ガーシーchのパロディ動画が続々と公開されていくのではないだろうか。

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