社会人が直面する“積みゲー問題” 新しいゲームに挑戦できない心理を専門家に聞く

“積みゲー”の心理を専門家に聞く

オススメのゲームを紹介するシステムが求められる

――自分のニーズとゲームのジャンルをすり合わせるのが重要そうですね。

小塩:そうですね。あとは人間関係と同じで巡り合わせが大切です。これまでプレイしたことがないジャンルであっても、意外とハマってしまうゲームは少なくありません。ほんの少しの空き時間にプレイできるゲーム、放置してもどんどん進んでいくゲーム、世界中の人と時間を合わせないといけないゲームも存在します。

 これだけ多種多様なゲームが存在しているのですから、「新しいゲームをしたい」と思うのであれば、自分のライフスタイルに合ったゲームに巡り合う可能性は高いように思います。とは言え、選択肢が多いため自分に合ったゲームを選ぶのは困難です。各自のライフスタイルに合ったゲームをオススメしてくれる人やシステムがあっても良いのかもしれません。

「挑戦=成長」ではない

――30代以降がなにか新しいことを挑戦するために必要なことはありますか? そもそも、「新しいことに挑戦できなくて情けない……」と罪悪感を覚える必要はあるのでしょうか?

小塩:新しいことに挑戦することが幸福や成功をもたらすとは限りません。人生は“結果次第”の面があります。現在取り組んでいることを突き詰めても、実直に積み重ねていっても、新しいことにどんどんチャレンジしても、それが良い方向に進んでいるのかは結果次第です。

 しかし、一つだけ言えることは、以前の自分よりも何かが「増加している」「積み増されている」「手が増えている」「うまくなっている」という感覚を得ることは大切だという点です。抽象的ではありますが、新しいことにチャレンジしなくても、以前よりも何かが上手くなっていればこれにあたります。また、新しいことにチャレンジしても、以前の自分よりも何かができるようになっていればこの法則に合致します。

 何かを学ぶこと、できるようになること、上手くなること、経験を積むことは、決して新しいことにチャレンジすることとイコールではありません。この点を踏まえておくと、挑戦しないことに対する罪悪感に苦しむことは少なくなるのではないでしょうか。

(画像=Unsplashより)

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