クラゲ型の宇宙船が成層圏の飛行に成功 アートの新たな表現方法となるか

クラゲ型のアート船が成層圏の飛行に成功

 今年の夏、クラゲ型の宇宙船「Living Light」が、最初のテスト飛行で成層圏への到達に成功した。

Beyond Earthより
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 「Living Light」を制作したアーティスト集団「Beyond Earth」は、「この作品は生物学、人工知能、航空宇宙技術を組み合わせたもので、私たちの地球と無限に広がる宇宙空間との関係を探求するものだ」と説明している。 「Beyond Earth」の共同創設者兼、アーティストのリッチェル・グリブル氏は、「アート作品を宇宙に送ることで、クリエイティブな表現の限界を再考することがでる」と、米メディア『Space.com』に語った。「この作品が地球を超えるとき、常に限界を押し広げ、私たちに違った考え方をさせる『創造性』の可能性が示される」。

 彼らは「Living Light」を打ち上げるにあたって、宇宙開発事業を手がけるSpace Perspectiveに協力を仰いだ。同社の「Neptune One」と名付けられた宇宙船は、グリブル氏いわく「サッカーコートほどの大きさ」だといい、最終的な組み立てはケネディ宇宙センターで行われた。 作品が打ち上げられると、およそ6時間で目標高度の地上30.5kmまで上昇したようだ。

Beyond Earthより
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 クラゲ型のデザインについては、「海洋生態系の生物多様性にならって、1000以上の海洋生物の複合体のようなデザインにしたかった」といい、「まるで宇宙を旅しているかのように海に浮かび、移動し、光る生物たちのデータセットを作成した」としている。

 海洋生物の生物発光や虹色に輝く性質を模倣した宇宙船は、成層圏の暗闇で周囲をカラフルに照らし出した。この生き生きと輝く姿こそ、生命が大気を超えて拡大する運命にあり、宇宙と共創していくことを表しているという。

Beyond Earthより
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 ただ利用する素材は、成層圏での飛行や地上への着陸といった過酷な条件に耐えることができる、丈夫で弾力性のある、軽量なものでなければならず、普段のアート作品とはまったく異なる考え方が必要だったという。

 成層圏をもアートの舞台としてしまう、なんともロマンのある作品だ。

Beyond Earthより
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Beyond Earthより
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(画像=Beyond Earthより)

■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。

〈Source〉
http://beyond-earth.org/projects-living-light/
https://www.spaceperspective.com/neptune-one

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