『スーパーマリオブラザーズ』価格高騰は不正行為によるもの? 専門家が問題点を指摘
ここ数年、中古ビデオゲームの価格が急騰している。8月初旬には、未開封の『スーパーマリオブラザーズ』がオークションで200万ドル(約2億2000万円)で落札され、史上最高記録を更新した。しかし1人のゲーム専門家が、価格が人為的に釣り上げられていると批判の声を上げた。
オーストラリアのスピードランナー兼ゲームジャーナリスト、カール・ヨープスト氏は、「中古ビデオゲーム市場での詐欺と不正の暴露」と題した動画で不正疑惑について言及した。
前述の200万ドルの『スーパーマリオブラザーズ』や、156万ドル(約1億7000万円)の『スーパーマリオ64』、156,000ドル(約1700万円)の『スーパーマリオブラザーズ3』など、高額落札されたゲームの多くには、査定会社のワタゲームスの評価がつけられている。
ヨープスト氏は、ワタゲームスのCEO、デニス・カーン氏と、ヘリテージオークションの共同創設者、ジム・ハルパリン氏が協力して市場を操作し、レトロゲームの価格を上昇させていると述べた。
同氏は、以前100,150ドル(約1100万円)で『スーパーマリオブラザーズ』が落札され、当時の最高記録が更新されたことを例にあげ、「このゲームはワタゲームスによって評価され、ハルパリンが他のゲームコレクターと共同で購入した。そしてプレスリリースで、世界記録が更新されたことを発表した」としている。要するに、オークションハウスの会長が自身で記録的な価格を作り出し、プレスリリースを作成、そしてそれを利用して、オークションにかけられるゲームを宣伝したというのだ。
さらに、カーン氏がインタビューやテレビ出演を行っていることも、価格高騰に繋がっているとしている。この動画のコメント欄には、「私が何ヶ月も前から感じていたことを話してくれた」、「専門家による画期的な調査だ」と、ヨープスト氏を肯定する意見が多く見られた。
ヘリテージオークションは動画を受け「ヘリテージやその役員が、サクラ入札や「相場操縦」、または同様の違法行為や非倫理的行いに関与しているという主張に強く反論する。私たちは、自らの透明性と、コレクターによる、コレクターのための場所であることに誇りをもっている」と声明を発表した。
声明に対しヨープスト氏は「私たちは調査を行っており、自分たちが無実であると理解している」とTwitterに短く綴っている。
We have conducted an investigation (and in record time!) and find ourselves to be innocent. https://t.co/BjjflXjTp4
— Karl Jobst (@karljobstgaming) August 24, 2021
両者の見解は大きくかけ離れているが、不正疑惑はどのような形で決着を迎えるのだろうか。
(画像=Karl Jobst YouTubeより)
■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。
〈Source〉
https://www.youtube.com/watch?v=rvLFEh7V18A
https://www.digitaltrends.com/gaming/2-million-super-mario-auction/
https://www.nintendolife.com/news/2021/08/heritage_auctions_responds_to_allegations_of_fraud_and_deception_in_the_retro_video_game_market