Google、Amazonのゲーム事業が不調な理由は? Amazon次期CEOは立て直しを宣言
Amazonのゲーム事業も不調 次期CEOは継続に意欲を見せる
Amazonもまた、長年ヒットゲームの開発に苦戦している。
米メディア『Bloomberg』は、「Amazonは、ほぼすべてのものを作ることができる。優れたビデオゲーム以外は」というタイトルで、同社のゲーム開発部門、Amazon Game Studios(AGS)の敗因を指摘した。
同記事は、30人以上の現役、また退職済み社員へのインタビューに基づいて作成されている。記事によれば、AGS苦戦の原因は、AGSの責任者、マイク・フラジーニ氏にゲーム開発の経験がなかったこと、多くのゲーム業界のトッププレイヤーを採用したにも関わらず、フラジーニ氏が彼らのアドバイスを聞き入れなかったこと、ゲーム事業のあり方が、Amazonの企業文化とは合わないことなどが上げられている。
フラジーニ氏と緊密に関わっていたという社員によると、同氏は何でもデータ測定をしたがるという。テクノロジー業界では一般的な考え方だが、ゲーム業界では異なるようで、Xboxの設計に携わったSeamus Blackley氏は、 「データ測定から始めて成功した人は誰もいない」と語っている。
同社内では、新型コロナウイルスの影響でゲームへの需要が増加しているにも関わらず、AGSがくすぶっている原因は、フラジーニ氏によるものだという見方が強いようだ。
またAGSの運用には、年間5億ドル(約530億円)近くが費やされていることも明かされた。これは、Twitchや、Amazon FireTV、その他のストリーミングサービスの運用費は含まない金額だという。
多くの不安要素を抱えているAGSだが、ジェフ・ベゾス氏から同社のCEOを引き継ぐと報じられたアンディ・ジャシー氏は、事業を継続する意向を示している。
同氏は社員へのメールの中で、「『Bloomberg』の記事は誇張されているものの、間違いを犯したことは事実だ」と述べたという。続けて、「最初の年に成功するビジネスもあれば、何年もかかるものもある。AGSはまだ成功を収めていないが、続けていけばいずれ実を結ぶ」と継続への意欲を語った。
ジャシー氏は1997年にハーバード大学を卒業後、Amazonに入社。2006年には、今や世界のクラウド市場の30%以上を占めるクラウドコンピューティングサービス、Amazon Web Services(AWS)をゼロから立ち上げるなど、同社の成長に大きく貢献してきた。
ベゾス氏に「卓越したリーダーになるだろう」と評される次期CEOは、AGSを立て直し、ゲーム業界に頭角を現すことができるのだろうか。
(画像=Unsplashより)
■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。
〈Source〉
https://blog.google/products/stadia/focusing-on-stadias-future-as-a-platform-and-winding-down-sge/
https://edition.cnn.com/2021/02/01/tech/google-stadia-sge-shutdown/index.html
https://www.bloomberg.com/news/features/2021-01-29/amazon-game-studios-struggles-to-find-a-hit
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-02-03/andy-jassy-next-amazon-ceo-says-he-s-committed-to-making-video-games