アルコ&ピース『アルピーチャンネル』に漂う「違和感と恐ろしさ」の正体を探る
『テレ東プラス』のインタビューにて2人はアルピーチャンネルのスタンスについてこう答えている。
平子「ラジオのリスナーは男中心なので、YouTubeは女性も取り込む意識でやってみようかと思っています。まぁ僕らもともとそっちでやっていたので」
酒井「そうなんです。今の人は知らないかもしれないですけど、僕ら昔はワーキャー(言われる)でやってたので。改めてそういう層に焦点を当ててみようという(笑)」
引用:https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/entertainment/entry/2020/022533.html
この宣言通り。アルコ&ピースは「マス」を取りに来ているのだ……。まだまだ売れる気である……。
だが、決してアルコ&ピースはわれわれに背を向けてしまったわけではない。ラジオリスナーなら誰もが知っている平子の愛車「(黄色い)アウディ」でのドライブトークや、酒井の誕生日に2人きりで酒を酌み交わしながらトークするというアルコ&ピーサーなら生唾モノの企画も積極的に投稿してくれている。スタッフすら周りにいない状況で2人で喋っているのがどれだけプレミアで黄金の価値があるか、ラジオでアルコ&ピースの関係性を知っているアルコ&ピーサーだけが知っている。この特別感はこのチャンネルでしか味わうことができない。
そう、このチャンネルはライトファンとコアファンそのどちらも取り込むことができる「循環」が完璧なのだ。スタンダードYouTuber企画でアルコ&ピースを知ったライトなファンは、「平子祐希と酒井健太がただ喋る」企画を見ることでもっと好きになっていく。また逆も然り、アルピーのコアな部分だけを見ていたアルコ&ピーサーにとって、スタンダードYouTuber企画で見せる姿は「新鮮」以外の何者でもない。入り口がどちらになろうと、見れば見るほどアルコ&ピースという沼にハマってしまう……。おそろしいチャンネルが始まってしまった。
『アルピーチャンネル』、現在は毎週火・金曜日に更新されている。まだまだ動画本数も少なく冒頭にも述べたとおり「未知数」という言葉しか出てこない。だが、これからどんなチャンネルになろうがアルコ&ピーサーはただ2人についていく、それだけ。
■かんそう
1989年生まれ。オールジャンルミクスチャーブログ『kansou(king and soul)』を運営。記事によって変わるテンションの落差に困惑の声多数。『QJWeb クイック・ジャパン ウェブ』『SUUMOタウン』『We Love Expedia』などでも執筆。