トランプ政権がTikTok排除を“放置” 米大統領選で忘れていた?

トランプ政権がTikTok排除を“放置”

政治に社会が翻弄されている?

 今回のTikTok禁止の根拠となっているのが、中国政府が要請した場合、企業や個人は情報を提出する義務があるという「国家情報法」だ。多くのアメリカ人が使用するソーシャルメディアを介して、アメリカの情報が抜かれては、たまらないというのが米政府の立場だ。

 近年の中国の台頭は著しく、大国アメリカは警戒を強めており、貿易戦争も激化している。民主主義と一党支配という価値観の大きな隔たりも一因だ。

 トランプ政権の中国に対する強硬な姿勢を支持するアメリカの有権者がいる一方で、仮に停止されればTikTokを好んで使用する若者世代の支持がゆらぎかねないとの指摘もあり、米企業による買収を提案したが、中国政府の介入で八方塞がりの状態に陥った。

 大統領令への署名は、今年8月と米大統領選を目前に控えた時期だった。アメリカ国民の支持を何とか獲得したいという意図が背景にあった可能性もある。事実、選挙が終了すると、放置されてしまった。通知はなかったものの、TikTok停止を当面、見送っている模様だ。

 アメリカ次期大統領に内定しているジョー・バイデン氏の意向を踏まえて、決定を下そうということなのだろうか。いずれにしても期限直前でも意思表示が何もなく、機能不全は明々白々。

 政治とは本来、世の中をうまく回すための仕組みのはずだ。しかし政治をうまく回すために、社会が翻弄されているのであれば、それは本末転倒と言わざるを得ないだろう。

■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。



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