“死にゲー”トレンドの先駆的タイトル PS5『デモンズソウル』リメイクに感じる原作超えの資質
11月12日、PlayStation5のローンチに合わせ、『Demon's Souls』のリメイク版がリリースとなる(※)。
2000年代・PlayStation3の時代を代表する一作として、発売以後、高く評価されてきた本作。リメイクを待望する声が大きいなか、今年6月にようやく開発が発表され、次世代機のローンチタイトルとして発売日を迎える形だ。
この記事では、まだ遊んだことのないプレイヤーへ向け、本作を紹介するとともに、先行トレーラーに見る原作との変更点にも触れていく。ゲーム史に燦然と輝くアクションRPGのの金字塔が2020年、PlayStation5で生まれ変わる。
※本稿は11月11日に執筆したものです。
“死にゲー”トレンドの起点となった2000年代の金字塔『Demon's Souls』
『Demon's Souls(以下、デモンズソウル)』は、2009年にPlayStation3で発売されたアクションRPGタイトル。退廃的な中世ダークファンタジーの世界を舞台に、人や獣を狂わせるソウルを巡る物語や、それを喰らい凶暴化した悪魔たちとの戦いを描く、往年の人気作である。
プレイヤーは思い思いにキャラメイクした主人公を操作し、用意された5エリア16ステージの踏破を目指す。RPG的要素であるレベルアップ(ステータスアップ)やアイテムの購入、武器の強化などには、敵を倒すと手に入れられるこの世界の通貨「ソウル」を利用する仕組みだ。しかしこの“財産“はプレイヤーが倒れると、すべてが手元から離れ、死に場所に遺留されてしまう。どれだけ多くのソウルを貯めたとしても、一度の失敗で一文無しになる仕様だ。このとき失った分は、もう一度現地までたどり着くことで回収も可能だが、その道中で再び倒れた場合には、完全に消失してしまう。そのため、プレイヤーは、死に対して注意深く進むことを余儀なくされ、よりリアルな冒険の緊張感を味わうことができる。
『デモンズソウル』は、当時には珍しい硬派な難易度を特徴としており、何度も命を落としながら少しずつ攻略を進めるゲーム性から、“死にゲー”と呼ばれた。その後、この呼称は、アクションRPGの派生ジャンルとして扱われるようになり、トレンド化。『DARK SOULS』シリーズや、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』、『仁王』シリーズなど、数々の人気タイトルが同ジャンルから生まれている。