米国のTikTok買収に中国政府が「待った!」 テクノロジーに輸出禁止規制

米国のTikTok買収に中国政府が「待った!」 テクノロジーに輸出禁止規制

 アメリカのドナルド・トランプ大統領が、国家安全保障に脅威を与えるとして、動画投稿プラットフォーム「TikTok」の運営元であるByteDanceに関する取引を禁止する大統領令に署名した。9月下旬以降に使用禁止にならないようにするためには、アメリカ企業による買収が成立することが条件になっている。

 しかし、ここにきて中国政府は、対抗処置とばかりにテクノロジーの輸出に規制を設けたため、一筋縄では行かない情勢になっている。

米国と中国の法律が適用、その結果はどうなる?

 ByteDanceは、アメリカ政府の方針に反発し訴訟も起こしているが、同時に買収交渉も行なっていると言われている。その売却先はMicrosoftを筆頭にWalmart、Twitter、Netflix、Oracleといったアメリカの大企業の名前が挙がっている(参考:https://www.theverge.com/2020/8/29/21406884/tiktok-china-tech-export-sale-microsoft-trump)。

 TikTokのCEOであるKevin Mayer氏は、就任から半年も経たない8月27日に、政治情勢の変化を理由に辞任した。アメリカで事業が継続できない以上、売却しか道はないと見られていたが、状況を見かねた中国政府から助け舟が出された格好だ。

 中国政府は、認可が必要な輸出規制品目に、新たに機密と見なされるテクノロジーを追加。それらには、テキスト分析、音声認識、関連コンテンツ提示といったAI技術も含まれるという。TikTokは関連動画機能があり、ByteDanceの本社は北京にあるため、変更された規制の対象になるという。

 ByteDanceの法務顧問であるErich Andersen氏は「国境をまたぐあらゆる取引と同様に、私たちは適用される法律に従います。今回の場合、米国と中国の法律です」と述べる。

取引に干渉する中国の賭け? 専門家の間でも異なる意見

 中国政府は、米国政府の命じた米国のTikTok売却を複雑にしている、と『CBS News』は伝えている(参考:https://www.cbsnews.com/news/tiktok-sale-chinese-government-restrictions-bytedance/)。

 Wedbush SecuritiesのアナリストであるDaniel Ives氏は「これは明らかに、いちかばちかの賭けで、ByteDanceの取引交渉を遅らせることを目的としています」と述べる。

 RBC Capital MarketsのアナリストであるAlex Zukin氏は、中国政府の新たな規制はTikTokの評価を押し上げる戦術の可能性があり、取引成立は比較的すぐに発表されるだろうという見方を示している。

 ジョージタウン大学の法学教授であるAnupam Chander氏によると、中国の輸出管理規制の変更は、何らかの影響を与えて状況を好転させようとする手段であり、買収に乗り出している企業は、どうすればよいか疑問に思うだろうと述べる。

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