“765プロのアイドル・星井美希”による、記念すべき初配信! 話題の『あふぅTV』を振り返る

話題の星井美希『あふぅTV』を振り返る

 7月11日に配信された、『「THE IDOLM@STER 765プロダクション所属星井美希特別生配信」in SHOWROOM』。今年15周年を迎える『アイドルマスター』シリーズから、2月に開催予定だった『THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆ENCORE』で主演公演が中止になってしまった星井美希が、シリーズ初となる“アイドルの生配信”に挑戦し、大きな話題を呼んだ。好評につき急遽期間限定(※8月16日まで)でアーカイブも公開中のこの公演、「すごい」とは言われてはいるが、いったいどこがどうすごいのか? 改めて、じっくり振り返りたい。

【公式アーカイブ動画】星井美希特別生配信「あふぅTV」【アイドルマスター】

その瞬間、間違いなく存在した“ひとりのアイドル”

 大成功に終わり、かつ大きな話題も集めた今回の配信。その要因としては様々なものが存在するが、その全ての根底にあるものは“アイドル・星井美希の生配信初挑戦”というコンセプトをブレずに最後まで貫き通した、ということだろう。それはプラットフォーム選びの段階から内容自体まで、徹底されていたように思う。ただ視聴者数を増やしたいだけなら、“生配信”から即座に連想しやすいYouTubeを活用すればいいはず。だが今回選択したプラットフォームは、SHOWROOM。“仮想ライブ空間”をキャッチコピーとする、アイドルの配信場所の代名詞的なプラットフォームを、配信の場に選んだのだ。

 加えて内容自体も、冒頭の画角の確認や質問コーナー、スクショタイムと非常にオーソドックスなもので、アイマスっぽさを感じるコーナーなどの設定はなし。あくまでも“ひとりのアイドルの、初配信”感を出すことを大事にしている。終盤の楽曲披露も、中止になったライブイベントの代替としての配信という背景を踏まえれば、不自然ではないだろう。

 その“あくまでも、ひとりのアイドルの初配信”に徹した点が、まずひとつ目のポイントだ。外見が二次元という点のみから今回の試みをVTuber的に捉える人もみられたが、そうではない。『アイドルマスター』というコンテンツで生まれて10年以上様々な形で活躍してきた星井美希は、ゲームやTVアニメを中心とした幾多の物語を通じて、ひとつの人格として確立された存在。そんなひとりのアイドルが、中止を余儀なくされた主演公演の代替としての配信に、SHOWROOMを用いて挑戦した――それが、この配信なのである。

 また、様々な意味での“対応力”も光った。まず何より、美希の口をついて出てくる言葉は、どこを取っても紛れもなく美希そのもの。台本に沿った進行部分はもちろん、質問コーナーやスクショタイムのポーズ希望などで視聴者のコメントを拾う場面においても、星井美希として笑い、驚き、楽しんでいる。特徴的な言い回しも、同僚アイドル・秋月律子を呼ぶ際に「律子、さん」とつっかえる点もそのままだ。間違いなくこの配信は、10年以上美希とともに歩んできた声優・長谷川明子の技量と愛なくしては成立しないものだったことだろう(“ひとりのアイドル”と書いておきながら無粋ではあろうが、この点だけはご容赦願いたい)。

 さらに、動きや表情も完璧だった。この配信は中止になったライブイベント同様にバンダイナムコスタジオのキャラクターライブ技術“BanaCAST”を活用して行われたのだが、こちらも台本にはないであろう部分も含めて、モーションキャプチャーによる動作と合わせて次から次へと美希らしい、愛らしい表情をみせていく。実際のライブイベントでもリアルタイムでの表情変化は行なわれていたのだが、画面で間近で観ても全く違和感のない精巧さには、改めて驚かされた。

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