Netflix、YouTube、Amazon……大手動画プラットフォームがBlack Lives Matterで示した団結と、その戦い方
5月25日にアメリカはミネアポリスで起こったジョージ・フロイドさんの死。彼は容疑者として警官に拘束される最中に殺害され、その一部始終が撮影されて瞬く間にオンラインで拡散されました。
その後の様子は連日の報道でもご存知でしょう。セレブリティを筆頭に多くの人たちが声を上げ、黒人の権利を守る「#BlackLivesMatter」が叫ばれています。
そんななか、複数の大手ストリーミングサービスが人種差別反対の強い意思を表明しました。強い影響力を持つプラットフォームは、どのような戦い方をするのでしょうか。
「ジョージ・フロイドさんの死」とは
内容を進める前にまず、「ジョージ・フロイドさんの死」がどんな経緯だったのかをあらためて説明しましょう。アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんは、2020年5月25日にミネソタ州のミネアポリスのダウンタウンに位置するCup Foodsというお店で、偽の20ドル札を使用した疑いで警察に通報されました。駆けつけた警察4人のうち、白人警官のデレク・ショーヴァンがフロイドさんを取り押さえる際、頚部を膝で8分46秒間にもわたって押さえつけられたために死亡した事件です。
声を上げたプラットフォームは
Entertainmentによると、差別に立ち向かうと表明したプラットフォームはNetflix、Hulu、Amazon、Starzなど。Twitterに投稿された各コメントを紹介しましょう。
We stand in solidarity against racism and violence. When members of our community hurt, we all hurt. We’re pledging $1M in support of efforts to address social injustice.
— YouTube (@YouTube) May 30, 2020
「私たちは人種差別と暴力に対して断固反対の姿勢です。コミュニティのメンバーが傷付けば、私たち全員が傷つきます。社会的不公正に対処する努力をサポートするために、100万ドル支援します」(YouTube)
Netflixは、黒人コミュニティと連帯することを表明しています。
To be silent is to be complicit.
Black lives matter.We have a platform, and we have a duty to our Black members, employees, creators and talent to speak up.
— Netflix (@netflix) May 30, 2020
「沈黙することは加担することと同じ。Black lives matter。私たちにはプラットフォームがあり、黒人のメンバーや仲間、クリエーターやタレントのために声をあげる義務があります」(Netflix)
We support Black lives. Today, and every day. You are seen. You are heard. And we are with you.
— Hulu (@hulu) May 31, 2020
「黒人の命をサポートします。今日も、これからも。あなたたちのことは見えています、ちゃんと聞こえています。私たちはあなたたちとともにあります」(Hulu)
Amazon Primeは黒い背景に白字で次のようなメッセージを送りました。
— Prime Video (@PrimeVideo) May 31, 2020
「仲間、芸術家、作家、ストーリーテラー、プロデューサー、視聴者の黒人コミュニティ、そして人種差別や不正と戦う全ての同盟者とともにあります」(Amazon Prime)
アメリカの衛星とケーブルテレビ向けチャンネルのStarzは、次のようなコメントを出しています。
.@NAACP @ColorOfChange pic.twitter.com/R8v1XMjzlv
— STARZ (@STARZ) May 31, 2020
「黒人コミュニティが暴力と差別と不公正に晒されている時に、沈黙していることなどできません。Color of ChangeとNAACPは、アメリカにおける人種的正義のために戦っている団体のひとつです。私たちは彼らのミッションを支持します。あなたも彼らを支持できます」(Starz)
Entertainmentは、上記の他にHBOやViacom、Pop TV、Quibiといったプラットフォームもサポートしていると伝えています。
プラットフォームはどんな方法で戦えるのか
団結を表明するだけでは、具体的に何かを変えることはできません。では具体的にどんな方法で戦うつもりなのでしょうか。
まず、先週の月曜日にはCBSやMTV、 BETなどのプラットフォームがフロイドさんが首を押さえつけられていた時間の8分46秒画面を暗くしました。
火曜日には、音楽業界の人たちが筆頭となって、「Black Out Tuesday」というフロイドさん追悼のための“沈黙の日”が行われました。音楽業界が黒人アーティストやブラックミュージックからどれほど恩恵を受けてきたのかを再確認することを目的としたこの運動は、多くの人たちが参加し、インスタグラムには「#blacklivesmatter」や「#showmustbepaused」が付いた黒い四角の画像が投稿されたり、著名なアーティストのウェブサイトが一時的に閉鎖されたり、音楽プラットフォームがプログラムを変更し、8分46秒の空白の時間を加えるなどしました。
この運動、特にインスタグラムの黒い四角の画像に「#blacklivesmatter」のハッシュタグをつけた投稿に関しては、「本来の活動に関する意味ある投稿を埋もれさせてしまう」といったことで反対する意見もありました。なかでもビリー・アイリッシュは「黒い画像や沈黙を投稿するのではなく、今こそ沈黙ではなく発言を!」と運動そのものに反対する意見を投稿し、声を上げることの重要性を訴えています。
ちなみにio9は、Twitterで黒背景に白文字で団結を表明したプラットフォーム企業に対して、具体的にどんな支援をするのか質問しています。返答を得られたのは数社だそうですが、以下のことがわかったそうです。
Disneyは実際に変化するまで声を上げ続けることと、NAACPをはじめとする社会正義推進のための非営利団体に500万ドル寄付することを発表。
ViacomCBSは、従業員に対して「Minnesota Freedom Fund」などのグループにあてて、寄付を呼びかけているそうです。
WarnerMediaは、オンラインと放送時間の両方でColor of ChangeとNAACPにアクセスできるようにするほか、OneFiftyプログラムに50万ドル寄付すると返事があったそうです。
そんな中、日本のNetflixが日本のビューワーのために密かに次のようなアプローチをしていることに気がつきました。